一昔前の自動車保険って、ほとんど車を買った車屋と知り合いの保険屋(損害保険の代理店)から入っていたと思います。
っていうのも、どこから自動車保険に加入しても保険料も補償内容など、ほぼ同じような感じでしたもんね。(共済・組合系の保険は少し違います)
しかし、十数年前に国の規制緩和で保険業の新規参入がしやすくなって、外資系企業・生命保険会社・その他いろいろな企業が続々参入してきました。
しかも、保険商品の販売方法・保険料金・保険内容などの規制も緩和されたので保険会社でいろんな違いが出てきました。
とくにネットの普及でダイレクト保険(電話やネットなどの通販型)が急増しました。
お客様からすれば、保険会社が増えて競合しあって保険料の引き下げ・サービス向上などで良いことやと思います。
ただ、逆に保険内容・保険料などの違いが大きくなって、保険会社(商品)選びが難しくなったかもしれませんね。
保険会社はいっぱいありますが、保険加入の窓口は簡単に大きく分けて3つ
- 新車ディーラー・中古車屋・修理工場などの車屋の自動車保険代理店
- 代理店経由ではなく保険会社と直接契約するダイレクト保険会社
- 全ての保険(生命・火災・傷害など)を扱う保険専門の総合保険代理店
です。そこで、それぞれの窓口の説明と比較を車の代理店のおっさんの偏った考え方でお話ししていきます。
っていうか、おっさんはよく分からないです(^^;)
車屋の代理店(兼業代理店)
自動車保険は新車ディーラーや中古販売店で車の購入時に一緒に保険に加入したり、知り合いの車屋から加入するといった感じが多いと思います。
なので、多くの車販売店は「自動車保険代理店」をしています。(最近は代理店をしていない車屋もけっこう増えてきています)
ところで、車屋がどこの保険会社の代理店かというと
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- 損保ジャパン日本興亜
- あいおいニッセイ同和
などの、よく耳にする昔からある大手保険会社って呼ばれる代理店型の保険会社です。
そして、車屋の代理店の一番の良いところ(特徴)としては
「事故の時にいろいろな相談にのってくれる」「車の修理などの対応が同時に出来る」
といった本業が車屋だからこそ出来る事(車屋しか出来ない事)があるといったところです。
もちろん、ダイレクト保険や総合保険代理店でも相談にのってくれたりします。
しかし、自動車事故に関しては経験や情報などが飛びぬけているのであらゆる質問等に対応出来る代理店が多いです。
もしもの事故の時の保険なので、この辺は重要なところだと思います。
特に車両保険など自分の車で保険を使う場合は、いろいろ相談にのってもらえたりします。
車屋の代理店のメリット
代理店のおっさんが自らメリットを説明するのもアレですが(^^;)、例えば
- 事故の時、今後の全般の段取りや相手側への対応方法などの知識が豊富
- 窓口が車屋なので、車の修理に関する事と一緒にいろんな相談(質問)が出来る
- 車が数台ある場合、車両と保険の管理を一括でしているので、変更時などは便利
- 事故が起きた時、車屋=保険代理店なのでいろんな手続きを一括で出来るところが多い
って感じで簡単にいえば、「車の事なので車屋に任せとけば保険の事もちゃんとしてくれるので安心」ってところですね。
車屋の代理店のデメリット
- 保険料だけでみるなら、ダイレクト保険の保険料の安さには勝てない
- 車屋の代理店は保険が本業ではないので、やる気がない代理店もある
- 事故など知識は豊富だが、保険商品のなどの知識が少ない(勉強不足)なところがある
まぁやっぱり、保険代理店が本業ではないので、保険専門のプロと比べると保険商品(全ての特約など)に関する知識が少ないところはあると思います。
それと、「とりあえず昔から代理店をしているから」って理由で代理店をしているからってだけで、やる気のない店もあったりします…
車屋の代理店 保険代理店として良い店とは?
車屋の自動車保険のみ代理店の場合、他の代理店(生命・火災・傷害など)とは少し店側(店員・営業マン)の考え方が違うことが多いです。
あくまでも本業(自動車販売など)がありますので、全ての車屋の保険代理店が保険販売に力を入れているとは限りません。
しかし、保険のお客様=自動車のお客様になるので、接客・対応などが悪いなどと言うことはありません。
それに保険の知識が少なくても事故に関する大事なポイントは掴んでいるので説明などで、お客様が不安に思うようなことはないと思います。
なので、保険代理店として、良い店なのか悪い店なのか対応や店構えで判断するのは難しいと思います。
しかし、意外と簡単な見極め方があります。
保険販売に力を入れていない代理店は「店に商品パンフレットを揃えていない」「お客様からご要望がなければ保険をあまり薦めない」って感じです。
逆にいえば、保険を薦める代理店は力を入れているということになります。
もっと簡単なのは、直接聞いてみることですね。
「保険販売を頑張っている?」と聞けば素直に「頑張っているんで、ぜひ加入して下さい」「一応、代理店はやってますよ」など単純で簡単な返事が返ってくると思います。
車屋の保険代理店の簡単(単純)な選び方の考え方としては
- 「保険販売に対して力をいれている・頑張っている」=良い店
- 「車屋なのでとりあえず代理店をしてるだけ、頑張っていない」=あまり良くない店
ってとこですかね(^^;)(かなりおっさんの偏った意見ですけど…)
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ダイレクト保険(通販型)
コマーシャルなどで宣伝している保険料の安い保険会社の多くはダイレクト保険です。
代理店を介さず、インターネットや電話で直接、保険会社から保険加入(契約)するのが「ダイレクト保険(通販型)」です。
やっぱり、ダイレクト保険の一番の魅力といえば保険料の安さです。
みなさん思い浮かべるダイレクト保険といえ、
- アクサダイレクト (外資系 フランス)
- ソニー損保 (国内 日本)
- チューリッヒ (外資系 スイス)
やと思います。有名どころですね。
他にも東京海上グループの「イーデザイン損保」など、昔からある保険会社もグループ会社としてダイレクト保険をしています。
大手の昔からある保険会社からすれば、従来の代理店型をしていてもダイレクト保険もやらなければ、保険業界に生き残れないって感じになってます。
ダイレクト保険(通販型)ってなぜ安いの?
おっさんも保険代理店をしているので、お客様から
「なんで、ダイレクト保険は安いの?保険料の差って何?」
って聞かれることが多いです。(代理店としては答えにくい質問です…)
ダイレクト保険の保険料の安さの理由としては大きく2つあります。
1つの理由として、代理店などを介さずに直接ネットなどで契約することにより代理店の手数料や人件費などの経費を抑える事が出来ます。
それと、保険加入時(更新や変更)の手続きやその手間にかかる費用を減らす事が出来て、その分保険料を下げれるようになります。
もう1つは、リスク細分型(年齢・使用状況・車種など細かく設定)により優良ドライバーの保険料を安くして加入を狙うってところです。
保険会社からすれば、保険金の支払いを少なくする事(加入者が保険を使わないの事)がもっとも保険料を安く出来る方法です。
逆にいえば、若い人・年間の走行距離が多い人・保険対象の車両がスポーツカーなどの事故の可能性が高い人は、ダイレクト保険のほうが保険料が高い場合があります。
保険会社によっては等級の低い人や車種により加入すら出来ない場合があります。
ダイレクト保険のメリット
- 保険料が安い(逆に若い人や過去に事故が多い人は高い場合がある)
- ネットや電話などで自宅から簡単に加入出来る
- 保険内容に関してネットなどで各保険会社の比較や資料請求など簡単に出来る
やっぱり、代理店型に比べると保険料が安い・簡単に加入(契約)出来るってところです。
年々、自動車にお金や手間をかける人が減ってきているので、時代にあった販売方法なのかなぁって思いますね。
それにネットで簡単に複数の保険会社から一括見積り出来るサイトなどがあるので、資料請求とか保険会社の比較とかが自宅で簡単にできます。
ダイレクト保険のデメリット
- ネットや電話などの申込がほとんどなので代理店のように対面での細かい相談が出来ない
- 申込時(更新時)の車両情報・使用状況など、加入者の申告なのでテキトーに出来ない
- 車両入替・契約内容変更の場合の手続きは代理店より面倒かもしれない
- 事故を起こした場合、代理店より保険手続きに手間がかかる場合が多い
簡単にいうと、代理店が利点としているところが無いって感じですね。
当たり前なのかもしれないですが、自分の保険なのだから自分で考えて保険内容を理解して加入(契約)するって考えです。
代理店のように何かあった時に任せられる窓口の人(顔が分かる担当者)が保険料が高くなるけど必要かどうかってところがポイントやと思います。
こんな人におすすめ
代理店をしているおっさんから見て
- とにかく(最優先で)保険料が安いほうがいいっていう人
- 車は所有しているが、あまり乗らない人・長年事故をしたことがない人
- 何事も自分で調べ、自分で手続きをする人・管理できる人
- 自分は絶対に事故をしないと思っている人・実際に今まで事故を起こしたことのない人
などですね。さすがにここまで思っている人に代理店での加入を勧めるのはちょっと出来ないかなぁって思います(^^;)
代理店をしている車屋のおっさんからすれば「自動車保険は車屋から加入するのがトータール的に安心で一番」だと思ってます。
しかし、ダイレクト保険の加入者が増えていく時代の流れを見るとダイレクト保険のメリットもだいぶ増えてきたんかなぁって思うこのごろです。
総合保険代理店(専業代理店 プロ代理店)
総合代理店 (専業代理店 プロ代理店)とは
「損害保険(自動車・火災・傷害)」「生命保険(医療)」「企業保険」
など、全ての保険を取り扱っている保険の専門店です。
自動車保険の窓口というよりも「町の保険屋さん」「知り合いの保険屋さん」って感じで知っている人が多いと思います。
どちらかと言うと、個人よりも会社(個人事業・法人)などの全ての保険を一括で引き受けている(任せられている)保険屋ってイメージがありますよね。
兼業代理店(車屋が本業)のおっさんから見ても、保険のプロって感じです。
総合代理店から加入する自動車保険ってどうなの?
おっさん(兼業代理店)から見ると、総合代理店は保険のプロ中のプロなので
保険商品の知識・契約の進め方・手続きのスムーズさ・フットワークの軽さ
に関しては、さすがに勝てないなぁって感じですね(^^;)
しかし、自動車保険は他の保険と違って代理店に求められるのは
- 事故を起こした時に本当に必要な保険内容(特約)の理解
- 事故後の代理店としての独自の対応力(アドバイスなど)
損害に対しての保険金の支払い(請求)の手続きをするだけではなく、事故がスムーズに完結するように代理店としてのアドバイス出来ることが大事やと思います。
交通事故が起きた場合、本人(当事者)は事故の相手への対応や自分の車の修理の段取りなどを同時にしなくてはいけません。
この事故が起きた時の対応(アドバイス)力や知識は、やっぱり現場経験の多い車屋の代理店には勝てないと思います。
まぁ、本業が車屋なので当たり前ですが(^^;)
おっさんの知り合いでも総合保険代理店をやってる人がいますが
「個人のお客様の場合、事故の後の対応・アドバイスは難しい・分からない」
って感じの話をよく聞いたりすることが多いです。
ただ、会社(法人)などの場合は、全ての車の管理をしている車屋(提携している修理屋)があると思うので、車屋と保険屋が連携して事故に対応することが多いです。
その場合は、ほとんど車屋の代理店と対応は変わらないか、よりスムーズな対応になるかもしれないですね。
総合代理店のメリット
- 営業マン1人1人の保険商品全般の知識が他に比べて圧倒的に多い
- いろんな保険を加入している場合、一括管理しているのでいろいろ手続きが楽
- 重複しても意味の無い特約(個人賠責など)を代理店が把握していてまとめてくれる
1つの代理店でいろんな保険(火災や生命保険)に入っていると住所変更などの手続きも一括で出来てお客様にとってはかなり楽です。
手続きなどに関しては、代理店任せに出来て手間やミス(連絡忘れ)も減りますね。
総合代理店のデメリット
- 車屋ではないので車に関する知識や交通事故の対応の知識は少ない
- 車に関しての事故後の修理や段取りの相談はまず出来ない
- 事故後のトラブルになった相手側への対応に関してのアドバイスは難しい
正直おっさんからすれば、保険商品全般の知識はすごいですが、自動車保険の特有の特約などに関しての重要度などはイマイチ理解していないかなぁってイメージです。
絶対に入っておいたほうがイイ特約、お客様の判断でもイイ特約などの勧め方(説明のしかた)が、やっぱり車屋の代理店とは違います。
車のグレード(車両)や個々のお客様の車の使い方は、あまり重視せずパンフレットの説明レベルになっていることが多いとおっさんは感じます。
ただ事故後の対応は、自動車保険に力を入れている総合代理店は車屋と提携していることが多いので、修理工場を紹介してくれたりしてくれますけど。
やっぱり他の保険に加入しているのかがポイント
そもそも、自動車保険だけ総合代理店で加入する人って少ないと思います。
代理店側も他の保険よりも事故後の対応が難しい自動車保険だけの加入を勧めるところは少ないと思います。
やっぱり、総合保険代理店で加入する魅力(ポイント)は
「全ての保険を一括で管理してもらって安心出来る」
と言ったところではないでしょうか。
まとめ
自動車保険をどこから加入するかは、他の保険(火災・傷害・生命)に比べて
保険商品の内容・契約時の対応よりも事故の対応がどうなのか
ってところが大きなポイントになると思います。
代理店の役割といえば、お客様と保険会社の手続きのやり取り以外の
「個々の細かい相談・質問」「相手への対応のアドバイス」「いろいろな連絡係り」
やと思います。
代理店がないダイレクト保険などは、もちろん直接保険会社に相談・質問など出来ます。
ただ、お客様にとっては「すぐ連絡できる窓口」があったほうが気持ち的に安心出来るかなぁって思います。
でも、ダイレクト保険は代理店ないから保険料が安く出来る!というのも忘れてはいけないですよね。
やっぱり、加入窓口選び(どこで入るか)と比較は、代理店・ダイレクト保険などの仕組みやメリット・デメリットなどを把握することが最も大事なポイントです!