今ではネットオークションなどで普通に車も出品されており、高額な車両であっても簡単に個人売買が出来るようになっていますよね。
なので一昔前のように「車の個人売買はややこしい、やめといたほうがイイ」というようなイメージってなくなってきていると思います。
それにネットオークションだけではなく、よくある「知り合いに車を売る」などの個人売買も増えてきていると思います。
しかし、車の個人売買は“売ってお金をもらって終わり”とは簡単にいかないものです。
- 車の状態の確認・不具合箇所の説明
- 名義変更などの書類の確認
- 自動車税などの税金・保険の負担の話
- 遠方などの取引の場合の引き渡し方法
など、ちゃんとしたやり取りと手続きを進めていかなくてはいけません。
売り手側はしっかりと売買の条件(売る側の条件)を説明して買い手側はそれを納得して手続きを進めていかないと、後々トラブルになることが非常に多いです。
ただ、車の個人売買ってトラブルになった場合、売り手側が困ることが多いです!
とくにネットオークションの場合は相手と会わずメールや電話だけで話を進めることが多いので注意が必要です。
なので、後でトラブルにならない(失敗しない)為の、個人売買での売り方の大事なポイントを説明していきます。
売り手側は必ず現車を必ず見てもらうように勧める!
車屋でも中古車を販売する時は「現車確認」をしてもうらうのが基本中の基本です!
中古車の程度は、1台1台使い方(乗り方)によって程度が大きく異なります。
「年式」「走行距離」などの情報よりも車の現在の状態(キズや汚れ)を確認して納得してもらうのが最も重要です。
個人売買で売主では、よく
「車を見ないでも個人売買やし安く売ってるから相手は文句を言わないだろう」
って思っていたりする人が多いですが、コレって大間違いです!
車の個人売買は車両の価格が相場より安くても取引額自体が大きく(高く)なるため、買い手側はそう思っていないことが多いです。
正直、「車屋で買うより安く買える」ってぐらいの軽い考え方の人が多いと思います。
なので、現車を見てもらい「この状態のままの値段」ってところを納得してもらって買ってもらうことが、後でトラブルにならない大事なポイントです。
遠方の相手で現車確認が出来ない場合
車屋でもネットなどで問い合わせで遠方からのお客様の場合は、遠いという理由から車を見に来れないってケースも多いです。
その場合は、車の状態の説明は「写真や電話・メールのやり取りだけ」になっちゃいます。
ただ、車屋は後々トラブルにならない為に、お客様にしつこいほど、
- 本当は現車を見て購入の判断をしてもらいたい
- 車屋での購入でも中古車は現車を見るのが原則
- 車を見ていないので車両状態に関しての保証は一切出来ない
って、念を押す感じで説明しています。これは個人売買でも同じで重要なポイントです。
とくに個人売買で、売り手側は遠方で車を見に来られないという相手には、
「中古車なので1度は現車を見て納得してもらいたい、個人の(プロではない)説明なので車の全ての状態を説明しきれない」
っていう、現車確認しない場合は買い手側にリスクがあることを必ず伝えることが重要です。
こうように説明することで、買い手側に「現車確認しないで買ったので自分が思っていた状態と大きく違っても仕方がない」と納得してもらうことが大事です。
よくあるケースで、納車後(取引完了後)にこちらの説明と車の状態と違っていて、
「説明より程度が悪い、写真では分からなかった傷がある」
などの「説明不足」や「個人がキレイだと思う感覚の違い」で納車後の車両状態でのトラブルを回避できる可能性が高くなります。
名義変更は車を渡す前に売り手側が確実にする!
個人売買でよくトラブルになるケースは「名義変更に関してのトラブル」です。
そして、売り手側が一番困るトラブルもこの名義変更に関してのトラブルです。
普通車(登録自動車)の名義変更は車庫証明の申請などに時間がかかる為、先に車と譲渡書類を渡し買主側で名義変更をしてもらうといったケースも多いです。
しかし、買い手側の都合で名義変更が遅れたり出来なくなったりして、売り手側の名義のままで乗られてしまうといったケースも多いです。
一番多いのは「買い手側がうっかり忘れていて、印鑑証明などの期限(発行日より3ヶ月)を過ぎてしまい名義変更が出来なくなった」などです。
ひどい場合は、印鑑証明や実印を押してある委任状(譲渡書)を失くしてしまったってケースもあります。
その場合、売り手側(譲渡人)がもう一度、印鑑証明などを取りに行って、買い手側に渡さなければ登録(名義変更)さえ出来なくなります。
なので、このようなトラブルを避けるためには、なるべく名義変更の手続きは売り手側がするって事が重要です。
そして、名義変更が終わるまで車を渡さないって事も重要です!
売り手側が名義変更を出来ない場合は、買い手側に任せずに専門の業者(名義変更代行サービス)などに頼んだほうが確実で安心です。
どうしても買い手側が個人で登録手続きをしたいって場合、しつこいほど「書類の重要性(印鑑証明など)」と「名義変更の必要性」を説明することです。
個人で車の登録する場合の説明は↓↓↓
中途半端なサービスや保証は絶対にしない!
買い手側らからすれば、個人売買であっても車を買うのですから高い買い物になります。
なので、買い手側は売り手側に対して、
- キズを直してもらいたい
- 故障している箇所を修理してもらいたい
- 保証を付けてほしい
などなど、店で買うような感覚で普通に言ってくる人もけっこういたりします。
例えば
「値段と全体的な状態は納得しているんですけどバッテリーが弱そうだから、バッテリーだけ換えといてもらえません?」
などで、買い手側からからすれば、とりあえず言ってみようって感じですね。
売り手側も買取店や下取りに出すより高く売れるため、買い手側をお客様扱いしてしまい安易に買主の要望に応じたりしまうって事も多いです。
でも、これは大きな勘違いです!個人売買なので個人が車屋みたいにサービスをしたり保証を付けたりする必要なんてありません。
あくまでも売り手側と買い手側の双方が同じ立場で取引をしないとトラブルになった時などに売り手側が不利になってしまいます。
しかも、売り手側が自分で鈑金塗装や修理を出来るのであれば話は違ってきますが、ほとんどの人がお金をかけて修理します。
サービスで修理したり保証をつけた結果、普通に買取りや下取りでそのまま車屋に売ったほうが良かったなんて事もあります。
なので、買い手側から費用がかかる要望があった時は安易に答えずに「現状が条件」と拒否するか、金額(値引き)での相談にしたほうが売主にとってはいいと思います。
ちなみに個人売買の仲介サービスっていうのもあります。
最近よく話に聞くのが、車買取で有名なガリバーが運営する中古車個人売買専用サイト「ガリバーフリマ」。
フリマ形式で、売買が成立すれば手数料などは掛かりますが出品料は無料で車の売買で面倒くさい登録や納車・お金のやり取りなどを代行してくれるサービスです。
「個人売買をしていみたいが、金額が高いから交渉や手続きがちょっと心配」って人には、ちょうどいいかもしれませんね。
まとめ
車屋目線で言えば、上記の3つが大きな注意ポイントになると思います。
とりあえずこの3つさえ注意していれば、車の個人売買特有のトラブルになる可能性は極端に低くなると思います。
その他のトラブルに関しては、車以外の個人売買でも同じようなものなので、いろんなサイトを調べた方がいいかもしれないです。
はじめからトラブルの話ばっかりになってしまいましたが、おっさんからすれば、
個人売買の売り手側はメリットよりデメリットのほうが大きい?
ような気がします。
メリットとしては「車屋に売るより少し高く売れる」ということですよね。
でも、よく考えてみるとそれだけです。
買い手側の場合、「安く買える」+「消費税がかからない」「余分な諸費用がかからない」など金銭面でのメリットがかなり大きいです。
保証がなかったり手続きが面倒などのデメリットを考えても得なのかもしれません。
売り手側は、気をつけてちゃんと取引をしないと高く売れるというメリット以上に「トラブルに巻き込まれる」といったデメリットが大きくなる可能性が高いです。
なので、個人売買で車を売る場合は必ずトラブルにならないための「売る側の条件」をしっかりと決めることが大事です。
そして、「売る条件を説明して納得(了承)してもらえない人には絶対に売らない」ってぐらいの気持ちで取引をしたほうがイイと思います。