年々、「自転車 対 自転車」や「自転車 対 歩行者」での事故に対して加害者側(自転車に乗っていた人)に高額の損害賠償命令が出るケースが増えています。
そして、2015年10月に初めて兵庫県で「自転車保険の加入」が条例で義務化され、その流れは全国に広がってきました。
現在(2022年12月時点)では、条例で「義務化」されているのが30都府県と1政令市、「努力義務」なのが9道県で多くの地域で義務化となっています。
なので、「自転車に乗るなら(持っているなら)保険に入らなアカンなぁ」っていう認識は全国的に浸透してきたと思います。
でも、ちょっとみなさん勘違いしているところが「自転車保険って名称の保険に加入の義務化」ではなくて、
「自転車の事故に対応できる賠償責任保険の加入が義務化」
なんです!誰でも分かりやすいように自転車保険ってなっていますが、自転車事故で相手(被害者)に賠償出来る保険の加入義務です。
そして、この加入義務となっている自転車事故でも対応(対象)とされる保険というのが「個人賠償責任保険」です。
ただ、「個人賠償責任保険」は、単体で加入出来る保険ではなく他の保険(火災や自動車・傷害保険など)の特約(オプション)になります。
この辺りが個人(ユーザー)にはややこしく「加入義務がある自転車保険って何?」ってなっちゃうんですよね。
自転車保険は、既存の保険の組合せ商品
義務化の流れで新しく「自転車保険」っていう商品名(ペットネーム)で販売する保険会社が多くなりました。
ま~、共通の正式名称っていうのは無いので、保険会社によって商品名はいろいろです。
ただ、自動車保険のように「自動車専用の保険」といった種類(目的別の保険)で、新しく自転車保険が発売されたのではなく、今までにあった保険で、
「自転車事故もカバー出来る保険の組合わせのセット商品」
になっていて、内容的には、
- 自分のケガなどが対象となる交通傷害保険(メインの保険で傷害保険の一部)
- 相手(被害者)への賠償が対象となる個人賠償責任保険(特約として加入)
の組み合わせで、交通傷害保険(傷害保険の1つ)に個人賠償責任保険という特約をセットにしたのが一般的にいわれる「自転車保険」ですね。
それと、保険会社によっては、このセット内容に「自転車用のロードサービス」などの独自のサービス(自動セットや特約)を付けた商品もあります。
自転車保険っていう1つの保険商品として付加価値を付けて売り出しているパターンですね。
実は「個人賠償責任保険」は既に加入している人が多い
条例などの加入義務の範囲でいえば「個人賠償責任保険」だけでOKです。
ただ現在では、他の保険の特約やクレジットカードのオプションになっていて「個人賠償責任保険」のみで保険に加入することは出来ないです。
主にどんな保険の特約で付けれるかというと、
「自動車保険」「火災保険」「傷害保険」
などです。その他の保険の特約やオプションなどでも一緒に加入出来る場合もあります。
ただ、みなさんはあまり意識していないかもしれないですが、保険の加入時に勧められて特約で「個人賠償責任保険」を付けていることがけっこう多いです。
とくに「火災保険」では、他の特約を付ける時に「個人賠償責任保険」もセットで入らないといけない場合も多いので、知らず知らずのうちに加入していることが多いです。
なので、すでに「自転車事故での損害賠償」もカバー出来ているってことになりますね。
しかも、「個人賠償責任保険」の保障範囲は、本人(記名被保険者や契約者)だけではなく家族(同居の親族)も対象になります。
これで、家族全員が「義務化」にも対応出来ますし、自転車事故で加害者になった時の相手への保障も安心です。
家族が入っている保険の特約に個人賠償責任保険を付けているかどうか分からない場合は、とりあえず1度すべての保険証券など見て調べ直したほうイイですね。
けっこう「あっ、個人賠償責任保険に入ってたわぁ」ってなる事が多いと思います。
逆に、家族の誰かが加入している全ての保険で、どれもこの「個人賠償責任保険」を特約に付けていないってことも当然あります。
その場合は「自転車保険」に加入するより、今入っている保険のどれか1つの保険に特約として付けるほうが、おっさんはいいと思います。
保険料も、年間で2,500円~3,000円ぐらいまでで付けやすい特約です。
個人賠償責任保険の内容・保険料は ↓↓↓

自転車保険で傷害保険の部分は必要?
ほとんどの自転車保険(セット商品)は、交通事故を起こした時に「死亡時○○百万円」「入院時 一日○○円」って感じの保障が付いています。
これからの時代、自転車に乗るのであれば必要な保障みたいな感じでの保険会社の売り込み(宣伝)になっていますよね。
ま~でも、この部分ってただのメインの交通傷害保険(傷害保険の一部)の内容です。
個人賠償責任保険を単体で販売することが出来ないので、交通傷害保険の一部とセットにして「自転車保険」にしているといった、そのままの感じですね。
正直、この交通傷害は昔からある保険で保険料も高くないので、本当に必要と思う人であればすでに加入していると思います。
っていうか、自転車を買った時などにお店の人にけっこう(必ず?)勧められたりするので、加入している人も多いかもしれません。
逆に今まで、日常生活での自分(家族)のケガなどのことを考えても「傷害保険に加入する必要はないかなぁ」って思っている人も多いと思います。
その場合は「自転車保険の中の自分に対する補償」は、あまり関係ないと思います。
傷害部分の保険料にしても「自転車保険だから安い」ってことはないですし、交通傷害を単体で加入しても同じような内容で同じような保険料です。
そもそも、「自転車保険の加入の義務化」は相手への賠償責任保険の義務であって、自分への保障は義務にはなっていません。
なので、おっさんの考え方としては「自転車保険」に加入する理由として「傷害保険もあるから」といった理由はちょっとどうなんやろ?ってところですね。
無料のロードサービスは必要?
自転車保険を販売している保険会社の中には、自動車保険のように「ロードサービス」が無料で付いてる商品もあります。
内容は保険会社で異なりますが、自動車保険のロードサービスの自転車版ってとこです。
ただおっさんは、付いていれば安心やと思いますが、実際は無料ではない(自動付帯で全体の保険料の中に含まれている)ので、
「それって、そんなに必要?だからって自転車保険の売りになる?」
って、単純に思っちゃいます。
たぶん、このロードサービスは買い物に行った時などにタイヤのパンクやチェーンが外れたりのトラブルにも対応してくれるモノやと思います。
ただ、このロードサービスがどれくらい車のロードサービスみたいに役立つのか疑問なところです。
正直、何かあってすぐに来てくれるのか分からないですし、待っている時間を考えると普通に今までに経験してきた対処をしたほうが早いんじゃないかなぁって思います。
正直、おっさんはちょこっと買い物ぐらいにしか自転車に乗らないのでロードサービスの良さがイマイチ分からないので「どうなんやろ~?」って感じです(^^;)
でも、日ごろ自転車がメインって人であれば、このロードサービスの考え方(有難さ)って変わってくるかもしれませんね。
ロードサービスが目的(優先)なら!
自転車が趣味で遠方によくツーリング(サイクリング)をする人であれば、この「ロードサービス」は価値のあるサービスかもしれまんせん。
遠方での車両のトラブル(故障)や事故などの場合は、けっこう便利やと思います。
でもツーリングなどの時のためって目的であれば、ロードサービスがとりあえずサービスで付いているって感じの自転車保険ではなく、逆のパターンの
保険(賠償責任など)が付いている自転車専用のロードサービス
に加入するほうが、いいかもしれません。
っていうのも可能性の話になりますが、自転車って賠償責任が発生する事故よりも車両のトラブル(故障)の方が多いと思います。
なので、保険とロードサービスの両方って考えで加入するのであれば、ロードサービスがメインで内容が充実している商品のほうがいいですよね。
ちなみにどんな商品(ロードサービス)かというと、
って感じです。他にいろいろあると思いますので、ちょっと気になったって人はちょこっと調べてみてはどうでしょうか。
まとめ
上記の説明で分かると思いますが、おっさんは「自転車保険」での加入は、あんまり必要ないかなぁって思っています(^^;)
簡単にまとめていうと、
今加入している保険(自動車や火災)などに自転車事故に対応できる特約「個人賠償責任保険」を付けたほうが良い!
ってところですね。
それに条例などに対しては現時点では、相手への賠償部分は「個人賠償責任保険」なので、他の保険の特約などに付けていれば十分です。
それと傷害の部分(自分への保障)が欲しい場合は、どちらかというと普通に傷害保険や市民共済などに加入したほうが気持ち安いかもしれないです。
ただ、この先、自転車の事故が多くなり当たり前のように賠償責任が発生するようになれば、「自転車専用の保険」が出来るかもしれないです。
その時は、個人賠償責任保険の内容で「自転車事故は対象外」になると思うので「自転車保険」に加入しないといけないようになるでしょうね。
ま~、その可能性はかなり低い(ほとんど無い)と思いますけど(^^:)