カー用品店や車屋(修理屋)などに、エンジンオイル交換に行った時に
「エンジン内が汚れているので、一緒にエンジンのフラッシングはどうですか?」
「フラッシングをすると、落ちたパワーや燃費が回復(復活)しますよ」
なんて感じで、エンジンフラッシングを勧められたことがある人も多いと思います。
おっさんの店でもお客様から「よそで聞いてんけどフラッシングってええんかなぁ?やろうかなぁ」って相談されたりすることもあります。
ただ、日常使いの車でエンジンのフラッシングをしようと思ってる人って
- 走行距離が多く年式が経っていて、燃費やパワーが落ちていると感じる
- エンジンオイル交換を定期的にしていなくてエンジンの調子が不安?
などの、車(エンジン)の調子が悪くなってきているかなぁって感じている人が多いですね。
しかし!
そのような場合は、フラッシングでエンジンの調子が良くなるといった効果が出る場合も多いですが、逆に悪くなる(エンジンが壊れる)こともあります。
なので、エンジンの調子が悪い?って思ってからのフラッシングはリスクがある「諸刃の剣」とも言えるかもしれません!
エンジンのフラッシングとは?効果は?
簡単にいうと「エンジン内部に溜まった汚れを清掃・除去」です。
専用のフラッシングオイル(フラッシング剤)によって、エンジンオイルライン(オイルパン、動弁系、ピストン等)を清掃します。
これによって、エンジンオイル交換だけでは取れない蓄積した汚れ(スラッジ)を取ることがで出来るといったものです。
まぁ、家庭用の洗浄商品で例えるなら「パイプマン」っていったところですね。
フラッシングの方法は何種類かありますが、その店のやり方(考え方)やエンジンの程度(汚れ具合)や施工費用によって選ぶといった感じです。
施工費用(商品と工賃)は、商品のタイプや店舗によってかなり違ってきますが2,000円~8,000円ぐらいやと思います。
フラッシングの方法(種類)については今回は省略です、ググって下さい(^^;)
そして、どういう効果があるといえば、エンジン内部がキレイになることにより
- パワー回復(スムーズさや加速性が良くなる・戻る)
- 燃費が改善(少し新しい時のように良くなるかも?)
- アイドリング(低回転)時が安定する
などの効果があると言われています。
費用に対して効果を見ると「フラッシングはいいんじゃないの?」ってなると思いますが、正直そこまでの効果を体感できることは少ないですね。
そもそも、フラッシングって必要?
エンジンフラッシングに関しては、人(車屋)によって考え方がいろいろあります。
車屋(修理屋)でも使用する車両や状況、フラッシング剤の種類などの考え方もバラバラですし、そもそも使うか使わないかっていう考え方も店によって違います。
おっさんの考え方でいうと、普通の乗り方(一般的な使用環境)で定期的なエンジンオイル交換をしているのであれば、フラッシングをする必要はないと思っています。
一般的に勧められる事が多い「3,000Km~6,000Kmのエンジンオイル交換」をしていれば、エンジンの調子が悪くなるほどの汚れ(スラッジ)は付かないです。
エンジンオイルにも汚れを落とす成分が少しは含まれていますし、その汚れを取るオイルエレメントもありますので普通であれば必要ないと思います。
その為の“エンジンオイル交換とエレメント交換”ですもんね。
ただ、スポーツカーや趣味で所有している車であれば
「エンジンのコンディション(性能)を常に良い状態に保っておきたい」
などの考えから定期的にフラッシングをするのも良いことやと思います。
フラッシングすることによって、パワーが上がるわけではないので効果は体感出来ないですが、やっぱりエンジンにとっては良いことです。
フラッシングするなら、おすすめはコレ!
ワコーズ エンジンフラッシングオイル E355(3L)
エンジンオイル交換時などに簡単に出来て費用も安く、ベタの方法(簡易フラッシング?)で使うフラッシングオイルです。
やっぱり、この手の製品や添加剤で安心(信頼)があって効果も良いっていえば「ワコーズ」の製品ですね。
その他にいろんなメーカーからも売られていて価格帯もいろいろですか、お客様に聞かれて無難におすすめできるのがこの商品って感じです。
それと価格的にもこれぐらいの価格帯以上のモノでないと、あまり効果が出ないと思います。
- 古いオイルを抜く
- その車種の規定量の3/2以上のフラッシングオイルを入れる
- 20~30分、アイドリング(フラッシング)させる
- フラッシングオイルを抜く
- 新しいエンジンオイルを入れる(一緒にオイルエレメントも交換)
使い方は簡単で、一般的なエンジンフラッシングのやり方です。
自分でオイル交換するって人にも、とくに難しいことは無いですね。
ただ正直、修理屋(車屋)が「フラッシングをしたほうがいい!」って判断にならない場合、フラッシングをするかしないかは本人(ユーザー)の考え方が大きいです。
なので、本人の気持ち的に交換するって感じになるので、選び方としては予算や好みの商品メーカーなどで選ぶのが良いと思います。
ちなみに、ハイブリッド車やアイドリングストップ車、チョイ乗りなどは、短時間・短距離走行のエンジン内部に水分が溜まりやすいので、こちらがおすすめ?
ワコーズ エンジンフラッシングオイル ウォータードレーンプラス E785
少し価格は高くなりますが、水分除去性能がプラスされたフラッシングオイルです。
まぁ、正直そんなに普通のモノ(ワコーズE355)と価格の差ほどの効果の差は感じられないと思いますが、一応イイと思います(^^;)
調子が悪いという理由でのフラッシングはリスク大!
フラッングをしたほうが良いと思ったり、おすすめする一番の理由は
エンジンオイル交換を定期的にしていなくて、汚れが溜まっている(オイル交換時にオイルが汚れすぎている)
といった感じが多いと思います。
普通の多走行車や1~2回のオイル交換サイクルが長くなったぐらいであれば、フラッシングしても問題ないですし、汚れもある程度キレイに取れると思います。
体感は出来たり出来なかったりいろいろやと思いますが効果はあると思います。
ただ、何万Km(何年)もオイル交換をしていない車や、多走行の車で過去に数回しかオイル交換していない車であればフラッシングは、かなりリスクが高いです。
何故かというと、このような車はエンジン内部が汚れているといった感じではなく、ヘドロがこびり付いた状態でドロドロになっていることが多いです。
このような状態の場合で普通にフラッシングすると、こびり付いたヘドロ(スラッジやタール)は剥がれていくと思います。
っしかし!
剥がれた汚れなどが大きすぎてキレイに排出できずにオイルラインやストレーナ(エンジン内部)などに詰まってしまう可能性が大きいです。
オイルストレーナーの詰まりぐらいなら(費用はかかりますが)オイルパンを外してして清掃で対処できます。
しかし、エンジン内分の他の細かい部分の詰まりであればエンジンをバラシて掃除(オーバーホール)しなくてはいけなくなります。
こうなっちゃうと「エンジンが壊れた」になっちゃいますね。
ただ、新車ディーラーや車屋・修理屋であれば、エンジンの状態によってフラッシングをしても大丈夫か、他に費用がかかる作業が必要かなどを判断することが出来ます。
場合によっては、ヘッドカバーを外して内部の汚れ具合を直接確認したりします。
そして、お客様に追加の作業(費用)やリスクの説明をすると思います。
店側(作業員)の判断によっては、作業をお断りすることも普通にあります。
なので、フラッシングをした結果「エンジンが壊れた」「オイルが詰まって排出出来ない」などのトラブルが起きることはほとんどないです。
しかし、カー用品店やガソリンスタンドでは「行きつけの車屋」などではない場合が多く、車の状態が分からないのに「フラッシング」を勧めることが多いです。
その場合は、お客様(車の所有者)がフラッシングをするかしないかの判断になるので、結果エンジンが壊れてもお客様の責任になることが多いです。
なかなか個人では判断は難しいので、「エンジンオイルを交換していない車ほど効果はあるが、リスクも高くなる」と思って判断したほうがいいです。
まとめ
上記で説明したように、普通の乗り方で定期的なメンテナンス(オイル交換)をしていれば、フラッシングをする必要はないと思います。
もちろん、エンジンフラッシングは悪い事ではないので、するかしないかで言ってらやったほうがいいかもしれないです。
この辺りは、車屋や修理屋で意見や考え方が違う作業の1つです。
ただ、フラッシングは車の中で重要なエンジン内部の作業(施工)になるので、個人での判断ではなくプロの意見を聞くのがいいと思います。
おっさんもお客様に依頼されたり、こちらからおすすめしたりする事もありますが、車(エンジン)の状態や使い方などが分かった上で判断して説明しています。
そもそも、お得意様に車に関しては「日ごろのメンテナンスは大事!」って説明をして、実行してもらっているのでフラッシングが必要になることも少ないですね。
なによりも「定期的なエンジンオイル交換」が大事でオイル交換をちゃんとしていれば、フラッシングに関わらずエンジンに特別な施工は必要ないと思います。