みなさん、車のメンテナンスの中で「オートマオイル」って気にしたことありますか?
たぶん、気にしたことのある人ってけっこう少ないと思います。
っていうか、とくに普通に乗っていて何も問題がなければ車検や点検の時に必ず定期的な交換するようなものじゃないですもんね。
でもたまに、車検の時などにお客様から
「オートマのオイルって定期的に交換するものなの?したほうがいいの?」
って聞かれることがあります。
正直、オートマオイルの交換に関しては車種(オートマの種類)やその人の車の使い方、個人(ユーザー)や車屋で考え方が違ってきます。
なので、基本的に「こういうふうにするのが一番良い!」っていうのは無いっておっさんは思っています。
そこで、難しい話は抜きにして参考程度におっさんの考え方を話していきます。
オートマオイルって何?お大事なの?
その名前のとおり「オートマ(オートマチック・トランスミッション)」の中に入っているオイル(フルード)のことです。
オートマオイルの呼び方としては、通常のオートマ車であれば「ATF」、CVT車であれば「CVTF(CVTフルード)」が一般的じゃないでしょうか。
このオイルの役割は基本的にはエンジンオイルと一緒です。詳しい説明は、ちょっと難しく話が長くなるので省略です(^^;)
簡単にいうと、このオートマオイルが古くなったり(劣化)するとオートマの調子が悪くなったり不具合(故障)が起こるっ可能性が出てきます。
オートマオイルが古くなったのが原因でよくある不具合としては
- 変速ショックが大きくなる(変速時に”ガクン”となる)
- 変速のタイミングがおかしい(変速が遅れる、エンジンがうなる)
- 発進・加速(スムーズさ)が鈍くなる
って感じの症状です。最悪、最終的にオートマが壊れるってこともあります。
まぁ、このような症状が全てオイルの劣化が原因ってわけではないですが、オイルを交換すると改善したりすることも多いです。
なので、エンジン同様、車の機関の中では重要なところの1つです。
オートマオイル(フルード)交換は必須項目?
車種やメーカーでオートマオイルの推奨交換時期(サイクル)っていうのがあります。
ひと昔前の(古い)車種(H20年ぐらいまでの車など)は、多くの車種で「20,000~30,000Km」になっていることが多かったです。
ただ最近は50,000~100,000Kmの長期サイクルや無交換(ノーメンテナンス)になっている車種が多くなってきています。
技術の進歩やオートマ(CVT)の構造などで、普通の乗り方であれば、オートマオイルの交換は必要なしってなってきているのが現在の考え方ですね。
なので、基本の考え方からいうと、その車種のメーカーが推奨する交換時期(サイクル)で交換するのがベストです。
しかし、メーカーの推奨交換時期がある車種であっても、「交換しなくても大丈夫」って考え方は車屋(修理屋)で昔からあります。
おっさんもこの考え方で、お客様から聞かれても逆に
「今の状態でとくに問題なく調子が良ければ、交換しないほうがいいですね」
って答えています。
なので、おっさんの考え方でいうと、メーカーが推奨する交換時期を参考して必ず交換したほうが良いっていうメンテナンスの項目ではないです。
スポンサーリンク
何故、交換しないほうがいいって考え方があるの?
一番の理由は、個人での一般的な「乗り方」や「一般的な走行距離」であれば「交換しないとオートマが壊れる」って可能性はかなり低いからです。
それに、車種や車の程度(年式や走行距離)で、逆に交換したことによって調子が悪くなったりオートマが壊れたりする可能性があるからです。
最近の車種で「オートマオイル(VCTF)は無交換」ってなっている理由の1つもこのようなことがあるからだと言えます。
オートマは複雑な構造ですごいデリケートな部分です。その中でオートマオイルも重要な役割があります。
それに、オイル交換に関しては「知識・経験、特殊工具(オイルチェンジャー)」が必要になってきます。
同じオイルでもエンジンオイルのように「オイルを抜いて新しいオイルを入れるだけ」とは全く違う考え方です。
もう1つは、交換の費用(オイル代と工賃)が高いってところですね。
消耗品の1つのオイル交換としては、一式の作業が7,000~30,000円ぐらいで、定期的に交換するには、効果と費用が比例しないかなぁって思います。
それに「安いから交換しようかなぁ」っていう、他の部品や添加剤などの考え方とは全く違うものです。なので
- 仕事用で走行距離が多く長く乗る予定なので車の寿命を延ばすため定期的交換
- オートマの調子が悪いなどの不具合による修理(改善)目的でのオイル交換
- 趣味で車を所有していて、自分なりのメンテナンスの考え方での交換
などの理由でない限りは、交換しなくても大丈夫じゃないのって考え方です。
多走行や中古車の場合はとくに注意!
よくある、オートマオイルを交換しようと思ったりする人(車両)は
- 単純に走行距離が多くなってきたから
- 中古車で買ったから1回してみようかなぁ
- 少し変速ショックが大きくなってきたから
って感じの理由が多いですね。
ただ、「オートマオイルは交換しなくてもいい」といっても、長い間で金属摩耗で摩耗粉やカスなどがオートマ内部やオイルの中に多く溜まっていて汚れています。
金属の粉やカスが溜まっていても、それなり調子が良ければ問題ないですが交換したことによって、その溜まっていた摩耗粉などが再循環する可能性があります。
そうなると、新しいオイルに混じってバルブなどの内部の細かいなどに入り込み詰まらせてオートマ自体が壊れる可能性があります。
なので、走行距離が多い場合「過去に1度も交換していない」「過去の交換してたか分からない」という状態でオイル交換をするのはリスクが高いです。
おっさんの経験からいうと車種にもよりますが、はじめての交換が50,000Kmぐらいまでじゃないとリスクがどんどん高くなっていきます。
なので多走行になればなるほど、オイル交換だけではお客様に交換した後の保証は出来なくなるって感じです。
やっぱり、オートマオイル交換をしようと考えるのであれば、新車からの定期的交換(20,000~30,000Km)がベストですね。
まとめ
とりあえず、おっさんは普通の乗り方・使い方であれば「交換しなくても大丈夫」っていうよりも「交換しないほうが良いかも」って考え方です。
もちろん、定期的に交換している車よりも交換していない車のほうが調子が徐々に悪くなっていくっていうのもあります。
ただこれは、オートマに限らずエンジンやその他の機関も同じです。
年式が古くなったり走行距離が多くなれば、エンジンの振動が大きくなってきたり加速が鈍ったり燃費が悪くなってきたりします。
長く乗っていれば当たり前ですよね。新車の状態がずっと続くことなんてないです。
でも、これって不具合(故障)じゃないですよね。
いわゆる「古くなってきているからガタが出てる」ってやつです。
この中でオートマだけ「少し変速ショックが大きくなってきているから」などの理由を不具合(故障)と考えるのはどうかなぁって思います。
もちろん、症状的にプロが見て不具合(故障)と判断すれば改善目的や修理としてオイル交換が必要やと思います。
なので、なんとなく「オートマオイルって交換したほうがいいんかなぁ」って思うぐらいであれば交換しないほうがいいです。
それに交換するにしても安易な思いつきではせずに、プロ(整備士や車屋)に相談してからの判断をしたほうが良いと思います。
でも、これって本当に人それぞれの考え方次第ってところですけどね(^^;)