中古車販売(売買)店をしていると、お客様や他業種の人からよく言われるのが
「中古車屋って儲かるんでしょ、ええなぁ、仕事が楽そうやし」
って感じのことで、いまだに楽して稼げるボッタクリ商売っていうイメージを持っている人が多いみたいです(^^;)
でも本当のところは、普通に車の売買だけで商売をしていたら儲からないしギリギリの利益しかないっていうのが実際のところで、それどころか
町の中古車屋(販売店)は、今となっては消えていく業種の1つ
なんですよね…
そこで、まったく儲からない商売のヘタなおっさんが中古車屋事情をグチりながら少しお話していきます。
それはひと昔前までの話
ひと昔前は(だいぶ前やけど)中古車販売店っていう商売(業種)は、たしかに普通に頑張っていればそこそこ儲かる商売でしたね。
みなさんが何となく思っている中古車屋は儲かるってイメージどおりやったと思います。
でも、誰がやっても簡単にそこそこ儲かるってわけではなく
仕入れをして、その車を一生懸命掃除(商品化)して店頭に並べて雑誌に掲載して、そしたらお客様が見に来てくれて交渉して売れる
っていう普通の小売店のやり方をやっていれば、そこそこ売れていたって感じでした。
それに売っている商品(車)は高額なので、1台の利益もそれなりにあって経費や人件費を引いても数を売れば利益は出ていました。
でも年々、この普通の小売店としてやり方(仕事)をしていても、利益が上がらないようになってきました。
それでは何故、中古車販売店が儲からなく(利益が上がらなく)なってきたのかというと
中古車売買の仕組みと車の買い方の考え方が変わってきた
ってところが、一番大きな理由ですね。
どう変わってきたの?
商品を仕入れて売るっていう商売であれば、どんな業種でも同じですが仕入れた額と売った額の差額が利益ですよね。
中古車屋(販売店)は、もちろん中古車を仕入れて売るんですが、やっぱり利益を上げるには
安く(ユーザー買取などで)仕入れして、高く(店頭販売で)売る!
っていうのが理想です。まぁ、どんな商売でもそうやと思いますけど(^^;)
もちろん、そう簡単なことじゃないですけど商売のやり方や努力・技量などによって、それなり利益を出す中古車屋も多かったです。
そこが、定価のない中古車(高額の中古品)を扱う、リスクも大きいけれど利益も比例して大きい中古車販売の魅力でした。
でも年々、その売買の仕組み(流れ)が逆になってきて
仕入れがすごく高くなったけど(それは仕方ないけど)、売る時は高かったら売れない(安くないと売れない)
っていうようになってきて、1台あたりのかなり利益が少なくなってきました。
車種によっては、小売り相場と業者相場(仕入価格)が同じぐらいの場合があったりして「仕入れをして小売りしてそれで利益を出す」っていう普通の事が成り立たなくなってます。
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なぜ、そんなふうになったの?
理由は、いろいろありますけど
- ユーザー(お客様)が流通相場(業者相場)を簡単に調べられるようになった
- 大手企業や新車ディーラーが中古車販売(買取)に本格的に参入してきた
- 外国に売れる(輸出する)車が増え、流通相場自体が上がり仕入れ額が上がった
ってところが大きなところです。
これにより、仕入れる(買取する)為に買取競争が激しく、商売として成り立つ相場の上限を超えた仕入れ(買取り)をする店が多くなってきました。
ユーザーにとっては買取専門店が増えて、しかも簡単に流通相場(買取相場)が調べられて愛車を高く売ることが出来るようなったので良いことだと思います。
ひと昔前までの「買取り(下取り)する店によって値段がバラバラ」っていうちょっと不安なイメージもなくなってきたと思います。
この記事を読んでくれている人の中には
「そんなん、ただの車屋の文句やん。どの業種でも一緒、努力不足なだけ!」
って思う人もいるかもしれません。まぁその通りですけど(^^;)
っでも!
単純に、流通相場(買取相場)が明確になって中古車業界全体がユーザーに分かりやすく適正になったのなら問題ないんですが
「安く(普通の相場で)仕入れ出来ないから車両で利益が出ない、それなら他で利益を出さないといけないよね」
っていう考え(商売のやり方)の中古車販売店が増えてきました。
他で利益って何?っていうと「諸費用」や「オプション(有料サービス)です。
車を売るために車両価格は安く(問い合わせがくる価格を)設定して、その他でなどで利益を出す方法(売り方)が今の中古車販売の流れになってきています。
ユーザーは売る時(売却時)は明確になって高く売れるようになったけど、買う時(購入時)は、不明確な価格(総額)になったって感じです。
たぶん、年々、中古車を買った人の中にも「車両価格は安かったけど総額で見たらなんか高いよなぁ…」って人も多くなってきてると思います。
ちょっと古い中古車販売の考え方のおっさんからすれば正直、「ダマし」に近いグレーゾーンに売り方やなぁって思っています。
中古車購入時の諸費用や有料オプションなどに関して詳しく話をすると長くなるので、また次の機会に(^^;)
なので、車両本体の売買だけで利益を出すのは難しい(無理な)時代になって、お客様にはよく分からないような見積にして(総額で)利益をっていう仕組みになっています。
町の中古車屋は、消えていく時代に…
年々、新車や年式の新しい中古車を買う人が増えてきていると思います。
国の「エコ対策」や国ぐるみの大企業(自動車メーカー)の業績回復のために新車を買ってもられるようにいろいろな対策がされています。
新車購入時の免税・減税もそうですが、その中に「新しい車に乗り換えさせるように古い車は税金を上げよう」って対策もされました。
これが町の中古車屋にとって痛すぎる対策です。もう中古車屋潰しです…
安い(古い)中古車ほど税金などが高くなって、中古車の一番の魅力「安く買える」っていうのがなくなってきています。
それと逆に「新車(新しい車)のほうがお得」ってイメージが一般的になってユーザーに古い中古車が売れなくなってきています。
年式の古い車や他走行車は外国に売って(輸出して)、売れない車はとっととスクラップにしてしまえって感じです。
といっても年式の新しい中古車もあるわけですが、そんな車はディーラーの中古車店や大型中古車店で「安心に中古車を買う」ってふうになってきています。
しかも、大型の中古車店になればなるほど、上記で説明した「車両価格は安いけど総額はアレ?」って売り方になっています。
たぶんお客様は、大きな店(会社)になるほど「その見積は普通なんやろなぁ」って思っちゃうんでしょうね。
まぁ、町の小さな車屋のおっさんからすれば
「ディーラーや大型店の中古車の何が安心でお得やねん?」
って感じですが年々、そんな流れになってきています。っていうか、すでになっています。
なので、個人でやっている町の中古車屋は、なかなか売れなくなってきて新しい車は大型店に持っていかれって感じで商売が成り立たなくなってきてるのが現状です。
まとめ
はい、やっぱりただのおっさんのグチになっちゃいましたね(^^;)
でも、中古車屋のやり方ってホントいろいろあって、商売の道徳的なグレーゾーンのところがかなり幅広い業種やと思います。
そもそも中古車業界の統一した絶対に守らないといけない業界独自のルール自体なモノがないですし、それを縛るところもないです。
だから「こんなやり方で自分は今でも儲かっているで」っていう店も多くあります。
ただ、やっぱり普通に中古車の売買をしているだけでは難しい時代やと思います。
おっさんは、昔からのお得様もいるし古い中古車屋の考え方なので中古車売買のやり方を今さら変えようとは思わないので、かなりしんどいです。
なので中古車の売買が一応メインですが、今ではお客様に依頼されたら何でもする「車の何でも屋」になっていますね(^^;)
そんな感じで、中古車屋(売買)は儲からない(消えていく)業種の1つです。