車検で預かったセレナ(C25 H19年式)なんですが、お客様から
「エアバック警告灯がちょっと前から光りだしてん。乗ってても別に問題は無いねんけど」
との事。この年式辺りの日産車ってエアバック警告灯の点灯(点滅)するっていうのが、ちょくちょくあるんですよね。
お客様からしたら乗っていても別に問題ないので(エアバックは作動しないけど)、年式も古いし修理代が高くつくなら別に直さなくてもいいんやけどって感じ。
でも、警告灯が点灯していたら車検は通らないので、とりあえず車検に通すためだけに何とか(修理)しないといけないです。
車種: セレナ(DBA-C25) 2007(H19)年式
原因はほぼほぼ「スパイラルケーブル」
とりあえず、修理屋で診断機を繋いで見てもらうとエラーコード「B1049 運転席インフレーター(断線)」を確認。
エアバック警告灯ではよくあるエラーコードで予想通りでした。
インフレーターは、エアバック本体にくっ付いている(本体の一部の)部品で「エアバッグを膨らませるためのガス発生装置」です。
なのでこのエラーコードは、インフレーター自体の故障(中の断線)か、これに繋がっている線(スパイラルケーブル内の線など)の断線が原因ってところです。
そして、ここから故障部品を確定するためにテスターなどで1つ1つ電気がながれているか調べていくんですが、ほぼほぼ「スパイラルケーブル」が原因です。
スパイラルケーブルは、コラムカーバー内(ハンドルの奥)にあるエアバッグやホーンなどの配線に接続するためのらせん状の配線が入っている部品です。
構造上、普通の配線に比べたら断線しやすいってところなんですが、とくにこの辺りの年式の日産車ってちょくちょく故障するんですよね。
ちなみに、おっさんの経験では日産車のエアバック警告灯の点灯(エラーコードB1049)での修理では原因が100%スパイラルケーブルでしたね。
安い社外品をチョイス
今回は、車検に通すためだけに直すので、極力お金をかからないように(とりあえず警告灯が消えて車検に通ればイイ)って感じの修理方法です。
通常は車検整備と一緒に修理屋でやってもらうんですが、費用を抑える為におっさんが修理(部品選びと交換作業)をする事にしました。
スパイラルケーブルに関しては社外品もあるんですが、新品の純正品を使うのが一般的(安心)な部品なので、部品屋では社外品は取り扱っていない事が多いです。
でも、この車種用のモノがネットでは安く売られているんですよね。(車種によって純正部品しかないって事のほうが多いかもしれないです)
たぶん、純正品だったら16,000円~20,000円ぐらいすると思うんですが、ネットでは社外品が4,000円ぐらいで売られています。
正直、社外品って今まで使った事がないので耐久性とか製品の質は分からないんですが、価格重視ってことで安い社外品を使うことにしました(^^;)
そして、購入したのがコレ
思ってたより全体的に(コネクターなどのプラスチックの感じが)安物っぽい感じがします。まぁ安い価格それなりのモノかなぁってところですね。
最近のネットで売っている安い社外品(とくに電装品)って、けっこう価格のわりには(価格以上に)しっかり作られていたりするので、ちょっとどうかなぁって感じです。
まぁ、見えない部品やし、ちゃんと作動してくれたら問題なんですけどね(^^;)
ちなみに、いろんな店から同じような感じのモノが売られているんですが、たぶん価格の差があっても品質とか耐久性の差ってないと思います。
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取替作業
作業手順としては
- バッテリーの端子(-)を外しておく
- ハンドルのエアバック(ホーン)部分を外す
- ハンドルを外す
- コラムカバーを外す
- ステアリングケーブルを外す
- ステアリングケーブルにくっ付いている部品を組み替える
- 外した逆の手順で元に戻す
ってところで、最初にハンドル真ん中のエアバック部分を取り外していきます。
エアバック部分は、ネジ2本で固定されているので、まずハンドル裏のネジ部分の蓋(左右2箇所)を小さいマイナスドライバーなどでパコっと外します。
そして、ネジ(左右2個)を外します。
ただこのネジは「いじり止めトルクスねじ」になっているので、いじり止め穴があるヘックスローブレンチ(ソケット)が必要です。
ネジを外せば、そのままエアバック本体を外せるので少し浮かして裏のコネクターと配線を抜いてから取り外します。
次はセンターのナットを外してハンドルを取り外すんですが、ちょこっと順序を説明。
- キーを抜いてハンドル動かしてハンドルロックをかける
- センターナットを半分ぐらまで緩める(外さない)
- ハンドルをガタガタ揺らしながら思いっきり引っこ抜く(ナットが止めになる)
- ハンドルをまた奥まで戻して、キーを挿してハンドルロックを解除する
- ハンドルをセンターに合わせて、ナットを外して、そ~っとハンドルを抜く
これで、ハンドルのセンターもズレずに簡単に外せます。さらに外す前にマーキングしていればセンターの位置合わせはバッチリですね。
次にコラムカバーですが、下側の2箇所ネジを外して、軽く揺らしながらパコっと外します。
そうすると、ステアリングケーブルが出てくるので、固定しているネジと繋がっている配線(カプラー)を外して引っこ抜きます。
この車種(セレナ)の場合、ステアリングケーブルにウインカー(ワイパー)スイッチがくっ付いているので、新しい社外品に組み替えていきます。
このスイッチははめ込み(ツメで固定)なので、簡単に取り外せます。
ここでポイントなのは、新品には回り止めの(ロック)カバーが付いているんですが、この時点では外してダメです!
この段階で外してしまうと作業中にセンターがズレてしまって、車両に取付け時にちゃんと位置合わせをしないといけなくなります。
そして、社外品には(たぶん純正品も?)カプラーが付いている蓋みたいな白い部品が無いので、これも組み替えます。
これ、小さいネジで4箇所止まっているんですが、社外品本体にはネジ穴が3箇所しかないので、とりあえず3箇所だけで止めます。
もちろん、4箇所ちゃんと止めたほうがいいんですが、まぁ3箇所でも大丈夫そうです。やっぱり複数の車種に適応している汎用品って感じです。
これであとは、取り外した逆の手順で元に戻していきます。
ステアリングケーブルを取り付けて配線も付けてコラムカバーも元に戻して、次はハンドルってところで回り止め(ロック)カバーを外します。
外すとスパイラルケーブルはくるくる回るようになるので、あまり触らないように!
そして、ハンドルを取り付けて、エアバック本体も元に戻したら完了です。
それと、エアバック(インフレター)に挿すコネクター(黄色)なんですが、コネクターにロック(黒い部分)があって引っ張っても抜けないようになっています。
でも、この社外品はのコネクターは、ロックをしても普通に引っ張たらコネクターが抜けてしまいます。
たぶん、作りも安っぽいし、ロック部分のツメのひっかかりが甘いのが原因やと思うので、グッとその部分を曲げたりして何とかロックがかかるようにしました。
でも、けっこう強い力で引っ張ると抜けてしまうんですが、まあまあこれぐらいやったら外れないだろってところで諦めました。
本当はここ、大事な部分なので完全にロックされないといけなんですが、そこまで気にすると社外品を使えなくなっちゃうのでこんな感じです。
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警告灯(エラーコード)の消し方
最後にエンジンをかけて警告灯の確認ですがまだ点滅してたので、エラーコードのリセットをしないといけないです。
車種によって、直ったら消えるとかバッテリーを外しておけばリセットされるとかいろいろありますが、この車種はリセット作業が必要みたいですね。
おっさんは、あとに車検があるので修理屋で診断機でリセットしてもらいますが、個人で直した場合の点灯を消す(リセットする)方法は
- キーをON(イグニッションをon状態でエンジンはかけない)
- 警告灯が7秒間点灯して消えたらすぐに(1秒以内)キーをOFF
- キーOFFで3秒(ぐらい)待つ
- 上記1~3の操作をあと2回繰り返す(合計3回)
- エンジンをかけて消えているか確認
です。もし消えなかったら、また2回ぐらい試して、それでも消えなかったら、ステアリングケーブルの初期不良か配線(カプラー)の付け忘れですね。
まとめ
自分で作業して部品は価格の安い社外品を使えば、普通に車屋に依頼して修理するより8~10分の1ぐらいの費用で直せると思います。
交換作業にしても工具があればそんなに難しい事は無く、ハンドルの交換をした事のある人やったらぜんぜん余裕やと思います。
ただ、車屋からしたらステアリングケーブルは、高いけど純正部品を使ったほうが無難かなぁって思ったりもします。
でも正直なところは、安い社外品だからすぐ壊れるってわけでも無いので、車両状態(古さ)やその人の乗り方で、修理方法を考えたらいいんじゃないのって感じです。
初期不良とかは、けっこうありそうな気もしますけど…
ちなみに社外品に交換してから1年以上経っていますが、お客様からコレといった連絡が無いので不具合もなく調子よく動いてくれてると思います。