軽箱バン(1BOXバンのエブリィVやハイゼットカーゴ)を「仕事でガッツリ使っていて荷物も常時載せている職人系のお客様」から
「N-VANって乗り心地とかイイってよく聞くやねんけど、どうなん?」
って、乗り換え時期などに聞かれることがけっこうあったりします。
やっぱり、仕事で毎日使う車やし、現場が遠くて高速とかもしょっちゅう乗るから、乗り心地とかも良さそうな車の方がイイかなぁってところですよね。
ただ、やっぱり「普通に軽箱バンのように使えるのか?」「荷物も今までどおりガッツリ積めるのか?」ってところが大事なところで、疑問になってくると思います。
そういうお客様から聞かれた時、おっさんはいつも
「いやぁ、やめといたほうがイイですね(キッパリ!)やっぱり違いますよ、エブリィとかの軽箱バンとかと比べたら」
って感じで答えています。(車の使い方にもよるけど)
それでは、実際にどういうところが違うのかってところと、1BOXバンとの比較でN-VANのメリット・デメリットなどについてお話していきます。
そもそも基本的なところが違う
まず、根本的なところなんですが、1BOXバンのエブリィVやハイゼットカーゴとN-VANでは、同じ仕事として使う車でも基本的な設計の考え方が違います。
- N-VAN 乗用車(N-BOX)ベースだけど荷物も多く積むことが出来るように設計
- 1BOXのバン 「仕事で使う」「多く荷物を積める」が基本(最優先)の考え方の設計
ってところで同じ商用車(4ナンバー)・最大積載量でも、そもそも同じような使い方(使用目的)で比較するような車種ではないんです。
もちろん使い方によるんですが、「多く荷物を積める事が最優先(目的)」って感じの使い方であれば、N-VANを比較の1つにするのは、ちょっと違うかなぁって思います。
やっぱり、1BOXのバンとN-VANでは「どこまでガッツリ荷物を積むことが出来るか」「多く荷物を積んだ時にどうなのか」ってところに大きな差が出てきます。
コレ何が言いたいのかっていうと、1BOXバンの広さ(荷台)をフル活用している人にとっては、やっぱりN-VANでは無理があるってことです。
なので「N-VANは乗り心地が良さそう」っていうのは、基本のところが違うから「そりゃそうでしょ」ってだけで、1BOXバンより単純に優れているって事ではないです。
でもまぁ、それでもN-VANがイイでしょう!って意見もあるので、ちょっと部分的なところの比較などの話もしていきます。
やっぱり1BOXバンと比べたら荷室は狭い
N-VANも最大積載量が350Kg(2名乗車時)になっていて、カタログでも「ダンボール○○個分」ってたくさんの荷物が積めるってなっています。
この説明だけ見れば、1BOXバンと同じような荷物の量を詰めれるようにようになっていますし、実際にそれだけの量を積むことは出来ると思います。
でも、「同じ量を積むことは出来るかもしれなけど、1BOXバンと同じような積み方は出来ない」ってうのが実際のところじゃないでしょうか。
↑↑↑ たぶん、エブリィVなどの1BOXバンに乗っている人ならパット見て「これはちょっとなぁ…」ってなると思います。
荷室(リアシートの後ろから)の荷室幅(とくに下の部分)と荷室長(奥行)が明らかに1BOXバンに比べると狭いんですよね。
これ、何故かというと
- 横幅 テールランプやリアのタイヤハウス(と内張り)の分、狭くなる
- 長さ(奥行) ボンネットが(エンジンルームが前に)ある分、室内長が短くなる
で、やっぱり、乗用車ベースの車両は商用車専用設計で最大積載領量は確保しているっていっても、どうしてもこの辺りはやりようがないって感じです。
それに比べて、1BOXバンは制限のある軽自動車の規格内で、荷室の広さを最優先で考えて設計されているので、やっぱり見た目から違います。
1BOXバンの荷室は、出来るだけ長方形になるように考えられており、リアゲートの開口部幅も狭くならないために、テールランプもバンパーに付いてたりします。
なので、実際に積める荷物の量を(大きさの違う物で)積める量も違ってきますし、なにより使い勝手(その人なりの荷物の配置のしやすさ)がぜんぜん違います。
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いろいろ積み方が出来るからって言うけど
N-VANって、助手席もフラットに出来てリアシートも左右分割になっていて、助手席側なんてセンターピラーレスになっています。
なので、いろいろな荷物の積み方が出来るように工夫されていて、大きな荷物も積みやすく、そういうのがウリになっています。
でもそれって、普段は荷物を載せてなくて、荷物をたくさん積む時とか大きな荷物を載せる時に、すごい便利っていう話なんですよね。
でも、ガッツリ仕事で使っている職人さんなどは、リアゲートを開けると、棚を組んで荷室全体が道具箱って感じになっている事が多いです。
使い勝手がイイように道具や資材はキレイに配置されており、しかも揺れて荷物がグチャグチャにならないように工夫されたりします。
なので、基本的には荷室のレイアウトは固定って感じの人が多い(ほとんど?)です。
正直、そういう使い方をしている人には、シートアレンジがどうのこうのっていうのは基本的にはほとんど関係ないんですよね。
それに、荷物はガッツリ積みたいけど人も乗せるからシートは必要(フラットにしない)って人も多く、そういう意味でもN-VANはちょっとって感じになっています。
CVTってどうなんやろ?
今の乗用タイプの軽自動車ってオートマであればほとんどCVTになっていて、N-VANも(N-BOXと基本は一緒なので)前輪駆動のCVTになっています。
なので、N-VANは乗用タイプの車みたいに静かで走りもスムーズです。
でも、荷物を多く積むための仕事車のCVTって「耐久性」とかどうなんやろ?ってところがあります。
荷物積んでいる(常に車が重い)状態で、15万kmとか普通に走れるのか?壊れたりしないんかなぁ?って思います。
っていうか、おっさんは1BOXバンと同じようなガッツリ仕事車の(荷物満載な状態の)使い方をしていれば壊れる可能性は高いと思っています。
もちろん、商用車用に改良(仕様変更)されているとは思いますが、やっぱり乗用車タイプのCVTなので無理(仕事車としては限界)あるんじゃないでしょうか。
新型ハイゼットカーゴ(トラック)もCVTになりましたが、それ用に開発された新設計のFR用のCVTなのでぜんぜん話が違ってきますよね。
なので、そういうところでも1BOXバンとの比較対象にはならないかなぁって感じです。
N-VAVの方がイイって感じの人って?
とは言っても、N-VANが仕事で使えないって話ではないです。
車の使い方によっては「エブリィVとかよりもN-VANのほうがイイんじゃないですか!」って人も多くいると思います。
- 仕事車だけど荷物を積みっぱなしとかはイヤな人
- 基本は現場に行くための足だけど一応、荷物も積める車がイイ
- 現場が遠いところも多くて、走行性能・乗り心地も大事なポイント
- 荷物を運ぶのをメインだけど、トラックとは雨がねぇ…って人
って感じで「多くの荷物を積めるのが最優先!」ってこともなければ、N-VANも軽箱バン購入時(乗換え時)の選択肢の1つに十分なると思います。
例えば、その日の現場に必要な道具と資材、そして腰道具だけしか持っていかないって感じで、なるべ車に荷物を物置代わりにしないって考え方の人とか。
それと、軽自動車の仕事車といっても毎日運転するから、出来れば「走り(走行性能)」「乗り心地」「装備」のイイ車にしたいって人も多いです。
軽箱バンのほうが本当はイイだけど、乗り心地とかがイヤだから乗用車タイプ(リアシートを常に倒して)を使っている人もいますもんね。
あとは、基本は足(移動だけ)に使っているけど、たまに大きな荷物を積むことがあるから一応、バン(商用車)じゃないとダメって使い方です。
そういう場合だったら、乗用車のような乗り心地と商用車の積載能力を両立しているN-VANが一番おすすめって感じになりますよね。
ただ、1人乗りが基本の仕様です
出典: ホンダ N-BOX インテリア
N-VANの特徴の1つが「助手席のシートもフラットに出来る」ってところです。
でも、その代償として助手席のシートは「前後スライドが出来ない」「シートが硬い(クッション性がない)」っていう簡易的な作りになっています。
さすがにリクライニング機能はついてるので、リアシートほど乗り心地は悪くはないですが長時間座るってなると、ちょっとしんどいですね。
なので、基本的に「お一人様仕様(運転者のみの1人乗りが基本)」って車です。
この助手席のシートに関しては、けっこう意見が分かれるところなんですが、結局はその人の使い方によるって感じですね。
まとめ
まぁ、ホンダもエブリィVやハイゼットカーゴのような感じ(ジャンル)でN-VANを作ったわけでもないので、そもそも比べるところが違いますよね。
ただ、見た目は屋根も高いし箱バンっぽいし4ナンバーなので、新しい軽1BOXのスタイル(アクティーVの後継?)って思っている人も多かったりします。
それに、N-VANはそれなりに売れていて、仕事でも普通に使っているって人も多いです。
でもやっぱり、今まで軽箱バンをガッツリ荷物を積んで使っている人には、N-VANはおすすめ出来ないし、実際に無理があると思いますね。