車屋をやっていると仮ナンバーで車を移動させる事は普通にありますが、個人(ユーザー)で仮ナンバーを使うって事はなかなか無いと思います。
ただ、車の個人売買やユーザー車検などで「車検が切れている」「抹消してプレート自体がない」車両を移動(自走)するのには仮ナンバーが必要になります。
そこで、個人(ユーザー)で借りられる仮ナンバーについて、取得から返却の流れや必要書類、使用のルールなどをお話していきます。
ちなみに関西(大阪?)の車屋では、仮ナンバーとは言わなくて臨時ナンバーを略して「りんばん」って呼ばれています。どうでもイイと思うけど(^^;)
仮ナンバーについて(臨時運行許可の概要)
仮ナンバーとは、車検切れなどで公道を走行してはいけない状態の車に対して、ある一定の条件のもと一時的に公道走行を許可する「臨時運行許可制度」で市町村などから貸し出される臨時のナンバープレートのことです。
この仮ナンバーの正式な名前は「臨時運行許可番号標」で、自治体名と赤い斜線が入ったナンバープレートになります。そして、誰でも借りることができます
仮ナンバーを借りれる対象の車両
仮ナンバーを借りれる臨時運行許可制度の対象の車両は
- 普通自動車
- 小型車
- 軽自動車
- 大型特殊自動車
- 二輪の小型自動車(排気量251cc以上)
になります。
※ 排気量250cc以下のバイク(軽二輪)、原動機付自転車、小型特殊自動車は臨時運行許可制度の対象ではありません。
っていうか、そもそも原付バイクとか車検制度がない車両で仮ナンバーを借りる意味(目的)ってありませんよね。
仮ナンバーを借りる目的(運行の理由)
もちろん、仮ナンバーを借りる目的(運行の理由)っていうのが必要なんですが、どんな理由でもイイってわけではなく
- 車検切れの車の継続検査
- 新規検査・新規登録(ナンバープレートのない車両の登録など)
- ナンバープレートの盗難・遺失での再交付
- その他の回送(売買、整備、解体などのための回送)
- 試運転 (新規検査の前の段階での修理時など)
などで、その車の登録や手続き・売買による回送などが目的でなければ臨時運行許可はおりません。
「車検が切れて車庫に置きっぱなしだけど、その日は車が必要だから仮ナンバーを借りて走れるようにしよう」
って感じの単純に車を走行させるだけの目的はもちろんダメですね。
ユーザーが仮ナンバーを借りる目的(理由)は「車検切れの車の継続検査(ユーザー車検)」や「ナンバープレートの盗難での再交付」が多いです。
その他に「車の個人売買の時に車検切れ・ナンバープレートのない車の回送(自分で乗って帰る・登録に行く)」っていうのも多いですね。
仮ナンバーはどこで借りられる?(申請窓口)
仮ナンバーは出発地と到着地、または運行経路に含まれる経由地の区市町村の役所で借りることができます。
まぁ、個人で仮ナンバーを借りる場合は、自宅の近くの役所っていうのが一般的で、借りに行くのも返しにいくのも近いので楽ですよね。
それと区市町村によって、申請窓口が本庁だけなのか出張所(行政センター)でも借りられるのかが異なるので、その辺りは前もって役所のHPなどで調べたほうがいいですね。
申請に必要な書類
- 自動車臨時運行許可申請書(窓口で記入したらいいです)
- 自動車検査証 等(区市町村の役所によってけっこう異なります)
- 自動車損害賠償責任保険証明書(運行期間中有効なモノ コピー不可)
- 申請人又は来庁者の住所が確認できるモノ(運転免許証等など)
です。難しく書いていますが、分かりやすく言うと「車検証」「自賠責保険証」「本人確認の書類」を窓口に持って行けばOKです。
自動車検査証等ってどの範囲までOK?
基本的には車検証や抹消登録している書類(登録識別情報等通知書、検査証返納証明書など)の原本になりますが、区市町村の窓口でけっこう対応が違ってきます。
- 車体番号を確認できるモノ コピー可
- 書類がコピーであれば、車台番号の拓本(石ずり)も一緒に
- 書類が無ければ車台番号の拓本(石ずり)だけでも可
など、その区市町村のHPで書いてあっても、実際はのところは車検証などのコピーだけでもぜんぜんOKって感じになっていたりします。
ちなみにおっさがいつも行く窓口(役所)は、HPでの説明では車検証の原本になっていますが、車体番号が記載されている売買契約書(注文書)などでも普通にOKです。
まぁ、車屋やから(ユーザーやったらもっと厳しい?)かもしれませんけど(^^;)
でもたぶん、どこの窓口でも同じ感じやと思うので、車検証など原本が無い(コピーも無い)場合は、電話してどうしたらいいか聞けば対応してくれる思います。
自賠責保険書証は絶対に原本!
自賠責保険証(自動車損害賠償責任保険証明書)は必ず原本が必要になります。
たぶんコレ絶対で、おっさんの車屋での経験でも「自賠責保険証のコピーでもいけた」っていうのは聞いたことないですね。
それと、当たり前ですが仮ナンバーの有効期間(申請期間)は、自賠責保険の有効期限内(保険に入っている状態)でなければいけません。
その場合、新たに自賠責保険に加入する場合の加入期間ですが、仮ナンバーを借りてすぐに車検や登録に行くのであれば自賠責保険は通常の期間(乗用車であれば24ヵ月や25ヵ月)で、仮ナンバーの期間と検査有効期限をカバー出来ると思います。
仮ナンバーの申請から返却までの流れ
区市町村の役所の自動車臨時運行許可の窓口に必要書類を持って行けば、その場で仮ナンバーを借りれます。
仮ナンバーの申請書(自動車臨時運行許可申請書)は窓口にあるのでその場で書くか、あらかじめ役所のHPでダウウンロードして書いておくかって感じです。
ただ、窓口で書いたほうが書き方も教えてくれるんで、窓口で書いたほうがイイと思います。
そして、申請手数料ですが、750円です。(区市町村によって少し異なります)
申請受付は前日からOK
仮ナンバーの申請受付は運行開始日の当日もしくは前日(1日前)からになります。
運行開始日の当日もしくは前日が土日祝日などの直前の開庁日に受付が可能です。(月曜日を運行開始日するなら役所が土日が休みなので金曜日に申請できます)
運行の経路の記載が必要
仮ナンバーの申請書には「運行の経由(出発地と到着地、経由地があれば書く)」を書かなくてはいけません。
もちろん、その申請している(許可されている)経由以外を走行してはいけないです。走行すると目的外運行とみなされ無車検運行になる可能性があります。
とは言っても「この道を通って」とかまでは書かないので、実際はそこまで厳しい制限(条件)ではないですね。
- 車検切れの継続車検 車庫(の住所)から ○○検査場 まで
- 個人売買での引取り・整備・登録 引取り場所 から ○○検査場 経由地 修理屋(住所)
で、経由地が複数あれば(寄るとこるが多ければ)、その分の経由地を書けばOKです。
運行の期間(有効期限)と返却期限
仮ナンバーの運行期間(有効期限)は、「必要最少の日数で5日が限度」になります。まぁ、最長で5日ですね。
ちなみに、必要最少の日数っていうのは「登録で検査場に行くだけなら1日」「その回送(同一市内の回送)は原則1日」って感じです。
でも実際はそんなに厳しくないので、とりあえず(予定が変わるかもしれないから)最長(5日間)で申請したらイイと思います。窓口の人もダメとは言わないと思います。
そして、返却の期限は有効期限が満了した日から5日以内です。ちなみに有効期限の満了日は含まず次の日から5日以内です。(たぶん)
また、期限までに返却しない場合は罰則(罰金)が科せられることがあるので、使用後はとりあえず早めに返却したほうがイイですね。
でも、それなりの理由があってどうしても期限までに返却出来ない場合、窓口に連絡すれば普通に期限を延ばしてくれたりします。
仮ナンバーの取付け方
ナンバープレートの無い車両であれば、普通に前後ナンバープレートの取付け位置にボルトで取り付けます。
ちなみにナンバープレートの取付け用のボルトで一般的に使われているのは「ネジ径はM6(φ6)、長さは首下15mm」です。
ちょっと面倒くさいのは、ナンバープレートが付いている場合で、軽自動車や普通車の前であれば、もとのナンバープレートを外して入替えたり、重ねて上から取り付けたりできます。
ただ、普通車のリアは取付けボルトに封印がされているので、もとのナンバープレートを外すことも出来ませんし、重ねて固定するもの1か所だけになります。
でも、これだと取付けが不安てになるので、(のりが残らない)養生テープなどで止めておく必要があったりします。
ただ、前後からちゃんと仮ナンバーが見えていればイイと思うので、その車によって取付け(貼付け)位置を考えたらイイと思います。
ダッシュボードに置いてたらダメ?
よく、仮ナンバーを取り付けず、臨時運行許可証と一緒にダッシュボードに置いている車もあったりします。
おっさんも、仮ナンバーを取付けにくい場合は、たまにそうしちゃいます…
でもコレ、原則で言えばダメです。とくにリアは「仮ナンバーで運行中」っていうのが分からないので違反で取り締まられる可能性が高いです。
ただ正直、おっさんはそれで(パトカーに見られていても)捕まったこともないので、実際はどうなのかってところは分からないです。
まぁ、その辺りは自己責任で!って感じですね(^^;) ダメやけど…
まとめ
仮ナンバー(臨時運行許可)を取得するのって、たぶんみなさんが思っているよりも簡単な手続きで出来ます。
でも誰でも簡単に借りれるわりには、厳しい条件(ルール)になっていて仮ナンバーを借りるのであれば、しっかり自動車臨時運行許可制度の内容は理解していたほうがイイです。
っていうか、仮ナンバー(臨時運行許可)に対する違反に対する警察の対応が厳しいっていうほうが正しいと思います。(たぶん事件につながる可能性が高いから)
ちなみに、車(修理)屋が運行目的以外の事に使用して走行中に職務質問されてバレたら、けっこう大変な事になってしまいます。(とりあえず逮捕はされると思います)