自動車事故での代車請求って過失割合が「100:0」じゃないと出来ない?

過失割合が「100:0」じゃないと相手側に代車請求は出来ないの? 事故対応・保険修理

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自動車事故で相手側の保険会社に車の修理期間中などの代車費用の請求を出来るのは過失割合が「100:0 」の時だけって感じになっています。

被害者であっても、こちら側に1割でも過失があった場合、代車請求は出来ない(認められない)っていうのが保険会社の基本的な(通常の)考え方です。

これは昔からどこの保険会社でも同じような感じで車屋もよく分かっていて、こちら側のお客様に少しでも過失あれば、とくに車屋も請求はしたりしないです。

ただ、事故に遭われたお客様から、たまに、

  • 「法律では、こちらに過失があっても相手の過失分の代車請求は出来る!」
  • 「ネットなどで調べたら、過失があっても普通に代車請求できると書いてあった」

って感じの事を言われることがあります。

たしかに法律的な話でいえば、「100:0 」など関係なく過失の割合に応じての部分(費用)は代車請求は出来ます。

車屋もそんな事は分かってます。

それでは、なぜ車屋(修理屋)も過失割合があれば代車請求は出来ないって考え方なのか?

ちなみに、「業務(仕事)で使用している」とか「絶対に車が必要」であれば過失があっても代車請求することもありますし認められたりします。
今回は個人での使用(日常使い)の車のお話になります。
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保険修理の場合、代車に関して独特のルールがある

自動車事故での代車費用の請求に関しても損害賠償の中の1つになります。

なので、過去の裁判例などをもとに代車請求が「認められる・認められないっていう基準(ケース)」っていうのがあります。

しかし、交通事故での保険修理の場合は保険会社の独特なルール(対応)があって、車屋も通常はそれに合わせて話をしていきます。

まぁ、保険会社からすれば、修理で車を預かった時に代車の手配も一緒にする事が多い車屋との交渉の中では、スムーズに話を勧めるための対応って感じです。

もちろん被害者側からすれば、相手側の保険会社ごとの対応や独自ルールによって有利になったり不利になったりする事はあります。

ただ、その中で保険会社が「過失割合が100:0じゃないと代車請求を認めない」と言うのであれば、車屋は基本この事に対しては応じることがほとんどです。

ただ、この話を聞いただけでは、

  • 「それって、相手の保険会社のいいなりになっているやん」
  • 「そんなんやったら、こっち(ユーザーだけ)が損するだけやん」

って思う人も多いかもしれませんね。

しかし、逆に代車請求の交渉の中で保険会社も妥協などしているところや、こちら側が有利になるところもあったりします。

どちらかと言うと、このルール(対応)自体が代車請求する側(車屋)に有利な感じになっているんじゃないかなぁっておっさんは思っています。

それじゃ、どの辺りが有利になっているのかといえば、

代車の必要性はほとんど言ってこない

法律的な事(裁判例など)でいえば代車請求するには、「代車の必要性」がなければ認められにくいです。

これは過失割合「100:0」の場合でも同じで、代車の必要性とはどんなケースかというと

代車の必要性
  • 業務(仕事)で車を使用している、代車が無いと損害が出る
  • 通勤に使っていて、他にバスや電車の公共の交通機関など代替え手段がない
  • 毎日、保育園や病院の送り迎えに使っていて、交通機関を使うのは難しい

など、「ホント車が無いと困るねん!」って場合です。

正直、普段の買い物や遊び(レジャー)などの日常の車の使い方であれば代車請求するのはかなり難しいと思います。

仮に認められても修理期間の日数ではなく、代車が必要になった(レンタカーなどを借りた)日数分になる事がほとんどです。

ただ、代車請求できなくても、必要に応じて代替手段を使った時の費用(電車賃やタクシー代)などは認められれば支払われます。

なので、このようなことで代車請求が出来るかどうかを判断をしてしまうと、逆に被害者にとってなかり不利になるる可能性が高いです。

しかし!

保険会社は過失割合が「100:0」の場合、被害者側が代車請求する時に「代車の必要性」なども、とくに聞いてこず(必要なく)普通に認められます。

たまに「代車が必要ですか?」って感じの事を聞かれたりする事もありますが「お客様は必要らしいですよ」で終ります。

さすがに「遊びで使うから必要」などとは言えないですが、保険会社もそれ以上は言ってこないです。

代車請求する側(被害者側)からすれば、この保険会社の対応ってけっこう有り難い(妥協してくれている)ところやと思います。

まぁ、保険会社にしてみれば「100:0」の事故の場合であれば、その辺りの事はどっちでもいいよって感じなんでしょうね(^^;)

店の代車でも謝礼という形で日額費用が出る

本来、車屋の店の代車(車検などで貸すサービス代車)をお客様に貸して代車費用を請求することは出来ません。

それは、車屋のサービス代車は「レンタカー」ではないからです。

車を貸してお金をもらう(利益を得る)にはその車を国(国土交通省)に許可を得て「レンタカー登録」をしなくてはいけません。

保険会社もその事は当然知っていますが、細かく言ったりすると車屋は代車を貸さずレンタカーばっかりになって結果、保険会社の支払額が増えてしいます。

なので保険会社は、金額は低いですが車屋の代車であっても日額費用×修理日数分を謝礼という形で支払います。

車屋もその事を知っているのと、どっちみち費用が請求できなくても代車を貸すといった理由からあまり保険会社に強く言ったりしませんね。

ここはお互いに得があり、スムーズに交渉を進めるための暗黙の了解とも言えます。

貸出し日数に関しては、対応が柔軟(あまい)

保険会社の代車の貸出し日数の基準は、大きな理由がない限り「修理金額(損害具合)からみた平均の修理日数」になっていることが多いです。

ただ、実際に車屋が保険会社と貸出し日数の交渉をする時は「実際の貸出し日数」で話をする事がほとんどやと思います。

ただ、いろいろな理由で修理が長引いたりして、保険会社が想定している貸出し日数が大きく変わるこ事もよくあります。

よくある理由(ケース)
  • 部品の在庫が無いなどの理由で手配が遅れた
  • お客様が仕事で忙しく納車が遅れた
  • 長期連休で仕事がストップする
  • 台風や大雨などで修理が前に進まない

って感じで、保険会社からすれば「そんなの関係ない」と言いたいところでしょう。

でも、代車費用のことで交渉がややこしくなると、他の「物損」「人身」などの交渉にも影響するので、ある程度は話に乗ってくれます。

だいたい10日~2週間の貸出し日数であれば、事故の大きさや修理金額に関係なく交渉はモメることはなく保険会社の車屋もお互い妥協しつつスムーズに進みます。

どっちかというと、保険会社のほうが妥協している事が多いって感じです。

ただ、代車の貸出し日数の上限を1ヵ月ぐらいに決めている保険会社が多いので、それを超えると交渉はうまくいかず、ややこしくなるケースがほとんどです。

そんな時は、車屋(修理屋)も1ヵ月以内で修理を完了するように(お客様に車を渡せるように)努力しますね。

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どっちにしても代車を貸出す車屋が多い

こちらに少しでも過失があって保険会社から「代車請求は認めない」って言われても、仕事や通勤などで車が必要な人もいますよね。

ただ、そういう場合は車屋(修理屋)が車検や修理の時にように無料(サービス)で代車を貸出すことが多いと思います。

ちょっとこの考え方は、「お得意様か一言さんなのか」「車屋の商売のやり方(考え方)」で違ってはきますけど(^^;)

ただ、代車を無料で貸し出す車屋からすれば

「代車請求しなくてもお客様には、あまり関係がないかなぁ。迷惑はかからないしなぁ」

って感じです。

それに保険会社の担当者も車屋がその辺りで妥協(お客様にサービス)しているってことは十分に分かってくれていると思います。

なので、その代わりに車の修理代・その他の費用などの交渉の時にこちら側の言い分を聞いてくれたりすることもあります。

正直、保険会社のルール(マニュアル)で決まっていて担当者の権限で対応できないことを交渉していくのは、かなり難しいですし面倒くさいです。

そんな難しい交渉をするよりも、こちらで出来ることはして他の事で交渉を有利にしていくほうが賢い交渉だと思います。

ちょっと車屋的な考え方

上記で話した内容は、車屋や保険会社がスムーズな事故解決の為や交渉を有利にする為って感じの内容ですね。

ただ、もう1つ車屋的なおっさんの(個人的な)考え方があって、事故で被害者側になられたお客様の中には

「こちらにも少しは過失があるけど、事故内容でいえば被害者なのだから過失分以上の負担をするのはおかしい!」

っていう考え方の人もいたりします。

それに相手側の態度や保険会社の対応などで腹が立つことも多くて、そういう感じになってしまう場合もあります。

ただ、自動車事故はどんなに気を付けて運転していても誰もが「加害者」「被害者」の両方になってしまう可能性があります。

だから、ほとんどの人が自動車保険に加入されていますよね。

自動車保険の保障内容も相手に賠償するだけではなく事故全体をカバー(加害者側になっても自分の損害も保障)出来るようになっています。

「レンタカー費用特約」もその中の1つで、事故や故障などで代車が必要になった時に費用が支払われる特約です。

毎日、通勤や買い物などで「車は絶対に必要!」って感じであれば万が一の事故や故障などの時の為に入っておくべきやと思います。

なので

「こっちは被害者なんだから賠償してもらえるものは全て賠償してもらう」

といった考え方は、ほとんどの人が保険に加入している自動車事故では少し違うんじゃないかなぁって、車屋をやっていておっさんは思います。

まとめ

結論からいうと、上記で説明したような「代車の必要性」が認められれば過失があってもその過失分に応じての割合で代車請求は出来ます。

ただ、一般的に多い日常使いの車であれば、「100:0」じゃないと、どの保険会社でも認められない事がほとんどです。

だからと言って、「被害者が損をする」ってことでは無いと思います。

あくまでも、モメることなくスムーズに話を進めて、こちら側が有利に交渉する為の妥協しないといけないポイントって感じです。

保険会社としても「出来ないこと・認められないこと」の中でも頑なに主張する

「過失割合が「100:0」でなければ、通常は代車請求を認めない」

というところは、保険会社(保険業界)なりの考え方・理由があると思うので、あえてそこで争う必要はないんじゃないんかなぁって思います。

ちなみに、納得がいかなくてモメて裁判をしようとしても代車請求に関しては保険会社が認めいな事は、裁判でもほとんど認められにくいです(-0-;)

車屋のおっさん

大阪で中古車販売店・損害保険代理店をやっています。
車屋としては、そろそろベタランぐらいの歴になるけど、気持ちは永遠の中堅!車業界の常識も日々変わってきているので毎日が勉強やと思っています。

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