社外品のアルミホイールに交換していたり、後付けのエアロパーツや用品・部品を取り付けている場合など
「事故の時、取り付けている社外品が損傷した場合、そのパーツの金額で保険金が降りるの?普通に請求できるのかなぁ?」
って思ったりする人は多いんじゃないでしょうか。
おっさんもドレスアップ(改造)している車に乗っているお客様から聞かれたりする事がありますが、答えから言うと
基本、破損した(潰れた)部品が純正・社外品に関係なく、その現状の損害額が保険金(賠償請求額)で支払われます。
ただ、「相手から賠償される場合」と「車両保険を使う場合」では、保険会社の対応・保険金の額などは変わってくることがあります。
相手の保険会社からの保険金の場合
交通事故でこちらが被害者側で相手側の保険会社から修理代が支払われる場合は、社外品であっても、その損傷した部品の金額(実損額)で支払われるって考えでOKです。
もちろん、外装・内装パーツ、後付けパーツ(フォグやセキュリティーなどの純正にない部品)に関係なく、損傷した部品(箇所)は全て同じ考え方です。
賠償保険の基本的な考え方は原則、「現状回復」です。
なので、純正・社外品といったことは関係なく、車を元の状態に戻すといった感じです。
ただ、保険会社によっては、たまに
「当社では社外品に交換していても純正部品代の計算になります。後付け部品はモノによってお支払い出来ないです」
などの、意味の分からないことを言ってきたりすることがあります。
ネットで調べてみても、保険会社が社外品の破損に対して、そんな感じの対応をしてきたって話(記事)もあったりしますね。
たぶん、個人(本人)が保険会社と直接修理代の話し合い(交渉)をする場合などに、素人だから何も知らないと思って言ってきたりするんじゃないでしょうか。
実際、保険会社と交渉するのが車屋(プロ)であれば、そんなことは言ってこないです。
ただ、そういう場合は「何言うてんの?そんなん無理!」って言い返してOKです。
当然の事ですし、保険会社もそれ以上は何も言ってこないと思います(^^;)
車両保険を使う場合
相手側からの賠償とは違い、保険会社と契約者(本人)との契約になる車両保険は、保険会社によってかなり対応が違ってきます。
保険会社ごとに車両保険の支払いのルール(約款)が違いますので、その範囲の支払い方になってきます。
とくに「代理店型」と「ダイレクト保険」では大きく違う場合があります。
代理店型
東京海上日動や損保ジャパンなどの代理店型の保険会社であれば社外品パーツであっても、さほど気にする必要はないと思います。
社外品であっても。、普通に破損した箇所の部品を元の状態に修理(交換)して、それにかかった費用(修理代)を保険金として支払われるっていう考え方です。
ただ、相手への賠償ではないので、保険金の交渉をする時にいろいろ理由をつけて値切ってくることもあります。
まぁ、相手(査定をするアジャスター)もそれが仕事なので当然といえば当然ですね。
この辺りは交渉するのが車屋であれば、腕の見せ所って感じです。
もちろん、構造変更している車や改造申請している型式が「○○改」になっている車であっても違法改造でなければ同じような考え方です。
でも、検査証の記載が変わっているのであれば保険を使う(請求する)時よりも、契約する時のほうが気を付けないといけないです。
どっちかっていうと、大事なのは保険契約時の車両保険の保険金設定で、社外品の価格も考えてちゃんと設定していれば、何も問題ないってところです。
ダイレクト保険
気を付けないといけないのはダイレクト保険(会社)で契約している車両保険です。
基本的にリスク細分型の保険会社がほとんどなので車両保険のルール(約款)が細かく決められていることが多いです。
なので、社外品パーツに関しては
- 純正部品以外は補償外 又は 純正部品での計算
- 契約時に告知義務(証券記載)が必要で、記載がない場合は補償外
- 契約時や部品の取付け時に保険会社の承諾が必要
など、保険会社によってルールがいろいろあったりします。
なので、車検対応のローダウンやエアロパーツであってもあらかじめ保険会社に聞いておいたほうがいいですね。
そもそも合法(車検OKや構造変更済)の車両であっても純正部品でなければ保険自体の引き受けが不可になっている保険会社もあります。
それに検査証の型式に「○○改」となっている一般的に言われる改造車であれば、ほとんどの保険会社が引き受け不可になっています。
なので、保険会社に問い合わせ(改造の内容を申告)をして承諾され車両保険に入れるのであれば基本、保険金は降りるという考え方でいいと思います。
でも、部品を社外品に変える(取り付ける)たびに保険会社に申告する人は少ない(忘れている人が多い)のでトラブルになることも多いと思います。
それに、保険会社に申告していて承諾されていても、事故の時にトラブルになったっていう話を、たまに聞いたりしますね。
社外品パーツは価格の明細(証明)が必要?
純正部品の価格・その作業の工賃であれば、保険会社で見積りが出来ますが社外品に関しては、こちら側が見積り(価格の提示)や価格の証明をしないといけないのが基本です。
っていうか、保険会社は社外品パーツの価格や作業工賃(時間)なんて調べられない(分からない)です。
そりゃ、そうですよね、社外品って山ほどあるし、そのパーツや取付ける車両によって作業(工賃)って変わってきますもんね(^^;)
でも、価格・工賃設定の証明といっても、そんなに難しい事でなくて
- 部品価格が記載されているの社外品メーカーのHPを教える
- 実際にその部品を買った(取り付けた)時の明細を提示
- 部品がない(廃盤)などの場合は、実際に取り付ける同等部品の価格を提示
- 工賃は車屋が社外品取り付けとして勝手に作業時間などで計算
などなど、普通に部品・用品を買う時に価格を調べて、その内容を見積書と一緒に提示するって感じです。
とくにすべてのパーツ(用品)を車屋(修理屋)に任せているのであれば何も問題です。
ただ、個人で保険会社と交渉する場合や、パーツごとに修理・取り付け(交換)する店が違ってくる場合などは、交渉がややこしくなることが多いと思います。
ややこしいっていうか、手間と時間がかかって面倒くさいって感じですね。
部品価格で少しモメるのは「ワンオフ制作のパーツ」など
社外品パーツといっても普通に買える既製品であればとくに問題ないですが、マフラーなどのワンオフの製作品などは製作費や材料代でモメることがあったりします。
例えば、マフラーの場合でいえば純正品4~5万円、社外品の既製品であれば7~10万円、ワンオフ品だったら30万円だとします。
さすがに、ワンオフ品だからといってもマフラー代が30万円ってなると保険会社も簡単には納得してくれないです。
価格が高いからダメってことではないですが、やっぱり30万円もする理由などをちゃんと明細にして提示したり製造工程の写真が必要だったり面倒くさいことが多いです。
実際には保険会社と交渉する車屋や本人、部品を製造するショップなどが連携して保険会社の要求する内容に対応するのってなかなか難しいのでモメることが多いって感じです。
ただ、現在付いているモノ(破損したパーツ)が、明らかに
「こりゃ、かなり高そうやなぁ、お金かかってんなぁ」
って感じであれば、保険会社側も何も言わずスムーズに話は進みますけど。
アジャスターもいろんな車両を見てきているプロなので、その辺りは分かっていますね。
ワンオフのパーツに関してはその部品や車種によって、その時その時で保険会社との交渉(請求)のやり方が違うって感じです。
ただ、基本的にどんなパーツであっても保険金は降りるって考え方でOKです。
違法改造車(整備不良)は保険が降りない?
まぁ、違法改造といっても、すごい幅がありますよね。
車検に通らない=違法改造(整備不良)って考えならば、ヘッドライトの色が青いだけでもアウトです。
でも、それだけで保険が降りないってことはないです。
実際、保険が降りないケースとしては
- その社外品パーツ(取り付け方など)が原因で起きてしまった事故・破損
- レース用部品などの公道使用不可なパーツ(マフラー・エアロなど)の修理・交換
などです。当然といえば当然ですけど(^^;)
保険会社かすれば賠償・車両保険に関係なく、車検に通らない車を元の状態に直すために保険金は支払えないってなりますよね。
ただ、全く保険金が降りないのではなく、減額されたり純正部品や同等の社外品(車検OK)に交換であれば降りるって感じです。
この辺りは、事故の状況(運転者に過失)や車の改造の程度などや保険会社ごとの考え方でかなり保険金が変わってきますので、一般的にこんな感じっていう話はないです。
しかし、違法改造(車検に通らない)車だからといって全てダメってことはないです。
まとめ
答えからすると、事故などで相手から賠償される場合は、社外品パーツであってもあまり気にする必要はないと思います。
ただ、車両保険の場合は保険会社選びに気を付けていれば問題ないってところです。
ちなみに、社外品パーツを付けていて車両保険に入るのであれば、やっぱり車屋の代理店から入るのが一番いいと思います。
保険の加入(社外品の判断)も事故の修理もその車屋に任せていれば、どんな状況でも何とかうまい具合にやってくれるはずです。