みなさん、シリコン洗車(シリコーンコーティングとか)って聞いたことあります?
数年前にユーチューブで紹介され、けっこう話題になっている普通(工業用)のシリコーンオイルを使ったボディーコーティングのやり方です。
ネットで調べてみても、「効果がスゴイ!」「コスパがイイ!」などなど、試した人の評判もけっこうイイです。
ただやっぱり、カー用品(ボディーコーティング用品)ではないので、このシリコン洗車に関しては賛否両論って感じですよね。
まぁ、洗車ばっかりしている中古車屋のおっさんからすれば「~ん、そうかもしれんけど、どうなんやろな…」ってところです。
車屋をやっているとシリコーンスプレーなどを使うことも多いので、性質(効果)もちょっとは分かっているつもりですが、コレをボディーに使うのはちょっと…って感じです。
でも、試しもしていないのに、ごちゃごちゃ言うのもアレなので実際にシリコン洗車をやってみることにしました!
シリコーンって何?
まずはちょこっと、シリコーン(オイル)の簡単な説明。
シリコーンは、オイル・ゴム・樹脂・パウダーなどいろいろな状態(モノ)に出来る、人工の化合物です。
化合物なので、いろいろな種類を作れて、化粧品、医薬品、日用品、塗料などなど、ほんと多くのモノの材料(成分)に使われています。
車の部品でいえば、タイヤやワイパーゴム・外装(プラスチック製品)、洗車用品ならカーワックス(コーティング剤)など、多くのモノに使われています。
よくあるスプレータイプのタイヤワックスとかモールなどの未塗装樹脂の艶出し剤などは、成分のほとんどがシリコーンってモノも多いですね。
「シリコン」と「シリコーン」の違いは?
ちなみに、「シリコン」と「シリコーン」って何が違うの?っていうみなさん、ちょっと疑問に思うかなぁってところの簡単な説明で、
- シリコンは、元素の種類のケイ素(Si) 自然界ではケイ石として存在
- シリコーンは、ケイ素をもとに作り出された人工の化合物
そして、どんなモノに使われるかというと、
- シリコンは、電子機器や家電などの半導体チップなど
- シリコーンは、化粧品、医薬品、日用品などいろいろ
で、シリコーンはシリコンから作られていますが使う用途も別で、基本的には全く別のモノって扱いです。名前が似てるだけですね。
基本的に、身近で使われいる日用品で「シリコンゴム」や「シリコンオイル(スプレー)」って言われてるモノは、「シリコーン」です。
なので、個人レベルで使うモノ(買えるモノ)であれば「シリコーン」なので、呼び方は「シリコン」でもどっちでもって感じやと思います。
シリコン洗車がイイと言われている理由って?
ネットなどで「シリコン洗車ってスゴイよね!ココがイイ!」っていうところは
- かなり撥水効果がある
- 艶出し効果がある、かなりツヤツヤになる
- 潤滑性がある、ツルツル度がスゴイ
- ガラス・未塗装樹脂・タイヤなど全てに使える
- 作業(施工)が簡単で、ボディーに悪影響がない(少ない)
って感じで、シリコーンの特性の撥水・艶出し・潤滑・扱いやすいっていうのが、そのままコーティングとしても十分使えるやんって言われています。
それと、もう1つ大きなメリットでカー用品として売られているワックスやコーティング剤より価格が安いので(工業用なので当然だけど)
「これで(普通のコーティング剤より?)キレイになるし、コスパもイイからコレでいいんじゃないの!っていうかコレがイイ!」
って感じやと思います。
もちろん、逆にダメなところ(デメリット)もありますが、その辺りは下記の試してみた感想でお話していきます。
使うのは定番のヤツ!
使うシリコーンオイルは「信越化学 KF-96-50CS」です。
シリコン洗車の定番となっている、信越シリコーンってやつですね。
シリコーンっていろんな種類があるみたいですが、基本的なシリコーンオイルで粘度(ドロドロ具合)もちょうど塗りやすいって感じのモノらしいです。
まぁ、市販で買えるモノならどれも同じような感じやと思いますが、ネットで調べてもコレってなってるからシリコン洗車するならコレなんでしょうね(^^;)
使うタオルも定番のコレ
そして、今回はシリコーンを塗るのに使うのは、WAXスポンジやマイクロファイバークロスなどではなく「ショップタオル」を使います。
これもなんか、シリコン洗車では定番みたいですね。
ちなみにショップタオルとは、車やバイクを整備する時にオイルや汚れを拭いたり、いろいろ使える万能な使い捨てのペーパータオルです。
簡単にいうと、キッチンペーパーのかなり丈夫なタイプって感じです。
たぶん、使われているのは写真の右側の「スコット ショップタオル ブルーロール」のほうが多いと思います。価格も安いですし。
まぁ、塗る道具に関しては自分が使いやすいモノであれば何でもイイと思いますけど(^^;)
シリコン洗車のやり方
やり方っていっても、そもそも洗車用品でもないしコーティング剤でもないので、これが正しい(正解)っていうやり方なんてないと思います。
なので、自分がイイと思うやり方とかでやるのが正解なんでしょうね(^^;)
ってことで、おっさんは、とりあえずユーチューブやサイトなどを見て、これかなぁって思った(一番多かった)方法でやってみました。
- 普通に洗車して、水分を拭き取る
- ショップタオルを使ってシリコーンオイルをまんべんなく塗っていく
- 2時間ほど放置する(定着させる?乾かす?)
- マイクロファイバータオルでムラがなくなるまで丁寧に拭きとる
って手順で、塗る量などはいろいろあるみたいですが初回なので、ちょっと多め(ベッタベタって感じ)に塗ってみました。
作業的には、べつに難しいとかコツがいるとかって感じではなく普通に塗って拭き上げるだけです。(違うかもしれんけど…)
やってみた感想
※ これは個人の感想です(^^;)
今回試した車両はそこそこ年数が経っている軽自動車で、ボディー(外装)の程度は「良くも悪くもなく、まあまあ普通」って感じの車両です。
結論からいうと、想像通りの仕上がりでした。
普通のシリコーンオイルをボディーに直接塗ったらこんな感じになるやろうなぁって思っていたとおりで、そりゃそうやねぇって感じです(^^;)
正直なところ、コーティング剤の材料(成分)によく使われているシリコーンなので悪くは無いけど、とくにイイって事もないかなぁって思います。
それと、シリコーンを塗るのにショップタオルを使うのは、使い捨てなので楽で便利だけど正直、ボディーにはどうなんやろ?ってところはあります。
おっさんはちょっと…って思いましたが、コスパ重視でシリコーン洗車って考えている人であれば、あんまり気にするところでは無いのかもしれませんね。
そして、自分でやってみて、仕上がりや効果などを個人的な意見でまとめてみると
- 艶の感じ 艶々になるけど、そのままオイリーな感じ
- 撥水効果 撥水はするけどイマイチ(弱撥水)
- 耐久性 ほとんどないと思う
- 作業性 ムラなくキレイに仕上げようと思ったらけっこう面倒くさい
って感じです。ボディー(塗装)の程度によって、かなり変わってくるとは思いますけど。
まぁでも、ネットなどで絶賛している人もいますが「そこまで良くなるんかなぁ?」っていうのが、正直な感想ですね。
たぶん、絶賛している人って、作業も時間かけて丁寧にやって、マメに手入れしてキレイな状態を維持できているからなのかなぁって思います。
それと、いろいろな方法も試したりして、自分が満足できるようなやり方を見つけているんだろうなぁって思いますね。
シリコン洗車って誰にでもおすすめ?
そもそも、簡単で楽に出来るコーティング剤などでは無いので、誰にでもおすすめするようなモノ(施工)ではないです。
なので、なんとなく「コーティング剤ってどれがイイんかなぁ?」っていう時の選択肢の1つにはならないでしょ!って思います。
こういうのって、興味があって「コレやってみたいなぁ」って思うんやったら、いいんじゃないのって感じのモノじゃないでしょうか。
とくにシリコーン自体が車に悪影響を与えるってことも無いと思いますし、ダメと思ったらカーシャンプなどで洗ったりすれば簡単に落ちると思います。
ただ、ネットなどで「簡単に出来る」などの意見もありますが
- キレイに仕上げようと思ったら、簡単だけど時間もかかるし作業的に面倒くさい
- 耐久性が無いので、マメに(1~2週間に1回?)やらないといけない
っていうデメリットがあるので、単純に「他のコーティング剤より安くて仕上がりもイイから」って感じでやりたいって思うのはどうかなぁってところです。
まとめ
かなりシリコン洗車を否定するような話みたいになっちゃいましたが、正直おっさんが思ったのはこんな感じです。
でも決して、このやり方がダメだとか効果が無いっていう事ではないです。
車をキレイにしたいとか、それにはどの方法が一番いいのか、自分(乗っている車)に合っているモノは何か調べてたり試したりする事ってすごくイイ事です。
その中でシリコン洗車がイイって思った(実感した)なら、それがその人にとって車をキレイにする一番イイ方法やと思います。
ま~、自分なりの車をキレイにする方法や考え方・道具やコーティング剤選びって、どっちかっていうと趣味や好みの自己満足の世界ですもんね。
でもやっぱり、いろいろある洗車のやり方とかコーティング方法の中で、この「シリコン洗車」がイイからおすすめっていうのにはならないかな。
はい、思いっきり車屋のありきたりな意見や考え方になっちゃいましたね(^^;)