新車からの初めての車検の時にお客様とどういった感じの車検にするか話していると、
「ぜんぜん乗ってない(走行距離が少ない)から、整備って言うてもするところ無さそうやし、今回は素通しでいいんじゃないの?」
ってなる事も多いです。とくに整備しないでも問題なさそうだから、格安車検のような感じの費用をかけない車検にしようってやり方ですね。
どんな感じのやり方かというと、
下回りの泥などをザッと洗い落として、パパっと点検して、テスター屋で光軸などを調整だけ
して車検を終わらせるっていったところです。
ただ、やっぱりお客様からすれば、費用が安くなるのは助かるけど車検の時に整備とかをやらないのはどうなのかなぁって疑問(不安)になるかもしれません。
それに、こういう「素通し車検」ってどうなの?初めての車検だからって関係ないでしょ!っていう意見も多かったりします。
でも、おっさんは車両の状態や日頃の管理、車の使い方によって、こういう車検のやり方でもぜんぜんOK(問題ないでしょ!)って思っています。
「車検の素通し」とは?
「素通しとはこういうやり方」っていう、車業界の人みんなが同じ認識(考え方)をもった車検方法の1つ(用語?)とかではないんですよね。
修理屋などで車検のやり方を話す時に使ったりする言葉なんです。例えば、
「今回は予算がないから素通しにしとこうか」「整備せんでもそのままでも大丈夫そうやから素通しでもええかな」
って感じの使い方ですね。
なので、その車屋(修理屋)によって、どういうやり方(何をして何をしないのか)を「素通し」って言うのか(考え方)が、けっこう違ったりします。
- 定期点検(見てお客様に説明)はするけど、整備(調整や部品交換など)は無し
- 検査項目だけは点検(確認程度)はするけど、他は何もしない
- 車検に通すだけ(ユーザー車検代行と一緒?)
でところで、これぐらいの考え方(やり方)の違いがあります。
っていうか、おっさんからすれば、どれもやっている事(作業内容)はほぼ一緒ですけど。
なので「素通し」とは簡単に言うと点検だけしかしない車検のやり方ってところですね。
ちょっと余談ですが、「素通し車検」という言い方をする人もいいますが、ユーザー車検ようなお客様も使う言葉(用語?)ではないと思います。
たぶん、車屋に車検を出した時に「素通し車検でお願い」って依頼をしたら、
「え、素通しってどこまでやらないんでいいんですか?っていうか、どういった感じのやり方の車検やと思っています?」
っていうような返事が返ってくると思います(^^;)
格安車検も素通し?
「最短45分」「点検も最大○○項目でバッチリで安心!」などを売り文句にしていたりする格安車検の店も多いですよね。
ユーザーからすれば、ちゃんと点検もしてくれて車検工賃も安いんだからお得で安心ってイメージを持っている人も多いかもしれません。
でもそれはちょっと勘違いで、車検の時にプロが点検(車検時の24ヵ月法定点検)をしただけで「これから乗るのに安心」ってわけではないです。
点検して、車両の状態や車の使い方などで、整備(交換や調整)するのかどうかを判断して必要に応じて作業(交換など)をして安心って言えると思うんです。
よくあるのは、お客様が予算重視で「整備(消耗品の交換など)はしなくていい」っていうケースであれば、
「ここは通常の車検整備やったら交換しといたほうがイイけど、車検には普通に通るし今は大丈夫そうやから今回は点検OK!ってことで」
っていうのも格安車検では普通のことで、こういうのって安心とは言えないですよね。
たから、点検項目が多いとかしっかり点検しているとか、そんなん関係なくてこういう格安車検も基本的には「素通しの車検」の1つやとおっさんは思います。
「素通し」でもいいのか?の判断材料
おっさんの店って修理屋ではないので、店の車検のやり方っていうのもなく、お客様の要望に応じていろんなやり方をしています。
そのやり方の中で「素通し」もやっているんですが、素通しをするかどうかの判断って、
- 車の使い方(用途) 個人使用か使用車か
- 走行距離・車の状態(年式)
- 整備(修理や消耗品の交換など)をする必要があるのかどうか
ってところで、単純に、
「べつに今回の車検でお金かけて整備するところ(必要)なんてないかな」
って感じであれば費用が安く済む「素通し」になりますね。
そういう判断になることが多いのは、やっぱり新車から初めての車検の時です。
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やっぱり走行距離で判断するのが一番
車をそんなに乗らない人だったら、初めての車検(新車から3年目)の時でも、走行距離が数千km~15,000kmぐらいしかなっていないって場合も多いと思います。
中には、1年間で1,000~3,000kmぐらいしか乗らず、「税金とか保険をだけで、何かもったいないですね」って人もいますよね。
そんな状態の車両ってエンジンルームや足回りをパット見ても
「車検整備といっても、ホントするところないっすね」
ってなることが多くて、そういう車ってライト類の点検とヘッドライトの光軸調整だけすれば何も問題なく車検に通ります。
とくにハイブリッド車なんて、全般的に消耗品の減りが少ない(交換サイクルが長い)ので、ホント走行距離が少なかったら整備をするところが無いです。
それに、次の2年後の車検(新車から5年目)まで走行距離も踏まえて考えても、予備整備(消耗品交換など)をしておかないとちょっとまずいかなぁって事もないと思います。
なので、「素通し」でもいいんじゃないかなって判断の目安としては、
走行距離が15,000kmぐらいまでで、これからの乗り方を考えても、次の車検時(2年後)でも30,000kmは行かない
って感じであれば、おっさんの経験上「素通し」でも問題ないかなってところです。
これ、ガソリン車での考え方になるので、ハイブリッド車であれば、もうちょっと走行距離が多くても大丈夫やと思います。
エンジンオイル交換などは別の話
とは言っても、ユーザーが自分で管理しないといけない消耗品や点検などに関しては別です。
どういったモノかというと、
- エンジンオイル・オイルエレメント
- ワイパーゴム(ブレード)
- バッテリー
- タイヤ (空気圧の点検)
で、もちろん車検時の点検項目なので「車検の時に一緒に」って考えの人も多いんですが、基本的には自分の車の使い方に応じて自分で定期的に交換(管理)するってモノです。
なので、「素通しの車検」でいうと素通しかどうかの判断材料にするモノ(項目)ではなく、別の考え方のモノになると思います。
例えば、オイル交換やワイパーゴムをぜんぜん交換していない場合だったら、
「車検は素通しするけど、ついでにエンジンオイルは交換しときますね」
とか、
「車検には関係ないけど、交換はしたほうがイイので近いうちに自分でちゃんとやっといて下さいね」
ってなるので、自分で何も交換(管理)していないなら「素通し」じゃなくてちゃんと車検整備をしたほうがイイっていうふうにはならないです。
そもそも、エンジンオイル交換などは、車検の時にやったから次の車検までやならなくてもイイっていう消耗品の部類ではないって考え方です。
まとめ
「素通し」や「ユーザー車検」など車検時に整備(車検整備って言われる作業)をしないやり方にはユーザーの中でも賛否両論あったりします。
ただ、車屋(修理)って、「車を安全に乗るための点検・整備」と「車検に通す為の作業(車検代行)」は別。
車検の時に、コレもアレもって整備するのは、車検の時にしか点検・整備しないからっていうのと、仕事して利益を上げる為のどちらかか両方かです。
なので単純に、
- 日ごろからちゃんとメンテンス(点検と定期的な消耗品の交換)をしている
- 車検の時に整備する必要がほとんどない(点検だけになるので費用がもったいない)
のであれば、車検だからといって、そんなに(過剰に?)お金かけてしっかり点検・整備をする必要もないかなぁって思います。
なので、新車から初めての車検で走行距離が少なかったら「素通し」でもイイと思います。
っていうか、おっさんの店はお得様ばっかりなので、日ごろの管理もさせていただいているので、初めての車検で「素通し」をこちらからおすすめする事も多いですね。