みなさん、「ニコイチ車」って言葉は1度は耳にしたことってあると思います。
ニコイチ車とは簡単にいうと、事故車などで2台の同じ車から使える部品(部分)を使って1台に作り直した(再生した)車のことです。
ユーザーの一般的なイメージ的には、前部(後部)が潰れた車を真っ二つに切って同じ車種の車をくっ付けて作った車って感じじゃないでしょうか。
おっさんの店でも、たま~にお客様と雑談をしている時に
「今でもニコイチの車って売られていたりするの?」
「走ってたら、真っ二つに裂けてルパンの車みたいに飛んでったりするの?」
なんて、冗談で聞かれることがあります。
まぁ、ネットなんかでも調べてみたりすると「中古車を買ったらニコイチ車だった、ダマされた。」みたいな記事(サイト)があったりしますんね。
でも正直、そういうのホンマなんかなぁって思ってしまいますけど(^^;)
実際のところ数十年前までは、そのような車が存在していて普通に中古車販売店で(ダマして)売られていたような話も聞いたりしていました。
しかし、現在では日本の中古車業界では小売り(ユーザーに販売)はもちろんのこと流通すらしていないと言ってもいいぐらいだと思います。
それじゃ何故、いまだに中古車には「ニコイチ車」ってイメージがあるのか、疑問に思う人がいるのかって不思議に思いますよね。
それは違う意味で現在でも存在する(作っている)ニコイチ車があるからです。
それでは、その辺りの事情をお話していきたいと思います。
中古車屋でニコイチ車をダマされて買ったなんて勘違い?
普通に中古販売店で中古車を購入して
「車を購入した時に修復歴とは聞いていたけど、やたら故障が多いので修理屋さんで見てもらったら実際はニコイチだった」
なんて話をたまに聞いたりしますけど、ほとんどがお客様の勘違いやと思いますね。
まぁ、修理屋が「ニコイチ車」って言うぐらいなので、相当の修復歴(大事故車)だったのかもしれないですけど。
たぶんニコイチ車ではなく、交換していた箇所(部品)がかなり多くてほとんど中古部品を使っていたって感じなんでしょうね。
たぶん、修理屋もニコイチ車レベルのヒドイ修復歴車っていう意味の説明を本人(ユーザー)が勘違いしただけってパターンやと思います。
っていうのもこの時代、まず車屋(中古車屋)がニコイチ車をダマして(黙って高く)売って儲けるなんて考え自体がそもそも無いです。
っていうか、そんな古い考えの車屋なんてこの時代、やっていけないと思います。
仮にお客様をダマして儲けようと思っている悪徳車屋がいたとしても
- メーター戻し(改ざん)
- 修復歴をごまかす
- 事故車を安く仕入れしてテキトーに安く直す
- 訳有り車(水没車など)をダマして売る
- 諸費用(追加費用など)でボッタクリ
などなど、悪い事をやろうと思えば、もっと簡単な(手間のかからない)やり方が他にもいろいろあります。
正直、わざわざ後でバレる可能性の非常に高い「ニコイチ車」をお客様をダマして(隠して)まで売るメリットなんて正直ないです。
悪質な商売のやり方としてもハイリスク・ローリターンなだけです(-o-;)
それに、ニコイチ車を探して仕入することすら難しいですし、その店が作るのもかなり費用がかかると思うので意味がないです。
まず、原価が高くなりすぎて安く売れないですし儲からないです。
改造車や旧車などでのレストアしている車は存在する
出典: レーサーパンダ.net
旧車専門店やレストアショップなどが旧車の事故修理やレストアをする時などの場合は、ニコイチ車になったりすることも普通にあります。
例えば、ベースの車両があって新品部品がないために複数の車の部品を使い1台を作る(仕上げる)って感じです。
それと極端な改造車などの場合でも、他の車の一部を繋げて(流用して)作り直すっていうことも普通にあったりします。
そもそも、こういったケースはニコイチという言い方は、そもそも少し違いますよね。
古い車の修理や改造って新品パーツが無いことがほとんどで、社外品・中古部品や事故車・放置車などから部品取りをするっていうのはけっこう普通のことです。
ただ、骨組みなどを修復できないぐらいの損傷であれば、他の同じ車(スクラップ)から切り取り繋げたりして修理していきます。
このような旧車のレストアは、元の部品(その車の部品)自体が残っている場合が少ないのでニコイチ車みたいな状態になってしまします。
ただ、それを「ニコイチ車だからダメ・乗ったら危ない」なんて考えをする車屋もお客様もいないと思いますけど…
逆に修復されていて、前の状態よりも良くなっていることが多いですもんね。
修理・改造費用もかなり高くなりますし、販売するのであればそれなりに車両価格もかなり高くなっていることも当たり前ですし。
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外国では普通にニコイチ車が走っている?
よくテレビなどで、外国で古い日本車が走っているのを見ると思いますが地域(国)よっては、普通にニコイチ車が多いそうです。
おっさんもテレビを見ていて
「外国で日本車のニコイチ車が普通に走ってるやん。しかも、真ん中を長くしてリムジンになってるやん」
っていうのもありますよね(^0^)
日本から外国に輸出する場合、「自動車としての輸出」と「自動車部品としての輸出」があります。
国によって輸出入のルール(規制)などが異なり、自動車として輸入するのに車種や年式でダメだったり税金(関税)が高かったりいろいろです。
なので、車を半分に切って部品として輸出して現地で元に戻したり他の車を繋げたりするのは当たり前になっている国も普通にありますね。
日本の古い車が多く走っている国(まだまだ発展していない国)では、日本人の車に対する考え方と全く違いますので、何でもアリってところがあるみたいです。
まぁ、日本人からすれば無茶苦茶やと思いますけど(^^;)
もちろん、そんな車や考え方は日本では通用しないので、国内では存在しないです。
この時代、注意しないといけない車は?
この時代、中古車を購入しようとした時に注意しないといけないのは
災害(台風や地震での水害・土砂崩れ)にあった車などをあえて仕入れして簡単に直して安く販売している車屋が増えてきている!
って、ところです。
1度災害にあった車などは修理してキレイに直っても「災害車」として扱われ、その車両の価値が下がり買取査定が極端に安くなってしまいます。
ただ冠水や土砂などに埋まった車は、ちゃんと修理しても後々の故障の可能性が高くなってしまうので中古車業界では、ちゃんと分類されています。
通常は国内の販売は難しく外国に輸出されたりしますが、安く仕入れられるので黙って普通の中古車として販売している悪~い車屋もいます。
それに水没といってもフロアに少し水が入った程度の微妙な感じの場合は、水没車すら分類されず普通に売られてたりすることもあります。
やっぱりそういう微妙な車両をユーザーには水没車として買取して、普通の相場で売るとかなり儲かるんでしょうね…
まぁ、どんな業種でも悪徳業者っていうのはいて、その時代のバレにくくて儲かる方法で商売をしているってところですよね。
まとめ
おっさんからすれば、この時代に日本(国内)で流通している普通の中古車でニコイチ車なんてほとんど存在してないと思っています。
そもそも上記で説明したように、旧車やカスタム車、仕事車(特装車)以外でニコイチ車にする(作る)意味ってないですよね。
それに昔と違い、今では自動車業界で中古車に対するルール(モラルや考え方)が、だいたい決まって(統一されて)きています。
ニコイチ車自体が違法という訳ではありませんが、普通の中古車屋が国内での商売としてニコイチ車を取り扱うなんてないと思います。
ただ今では、リサイクル(再利用)の流れやネットオークションなどで簡単に中古部品を探せるようになり、「中古部品」を使うのも当たり前(推奨)になってきています。
中古部品を使うのは悪いことではありませんし、逆に環境に良いかもしれません。
しかし、ドアなどの簡単に外せる部品が損傷した車を仕入して同じ色の中古部品を付け替えただけで終わりって感じの直し方をする車屋も多くなってきています。
それにネジ(ボルト)で簡単に外せる部品(ドアやボンネットなど)を交換していても、車の評価(査定)は落ちますが「修復歴」には入らないです。
なので、普通に「修復歴なし」のキレイな車って感じで販売している車屋もあります。
これからの時代は、こういった中古車が多くなり、
「安くて良い車やと思って買ったけど実は適当に中古部品で直されていて中はグチャグチャ、ダマされた!」
って、昔のニコイチ車のイメージのような感じで言われるようになるかもしれませんね。