ガソリン車のバッテリーには大きく分けて「充電制御車対応」「アイドリングストップ車用」、そして従来の「普通のタイプ」の3つタイプがあります。
このタイプの違いを単純に言えば、その車種(グレード)のバッテリー充電方式に対応しているかどうかってところです。
なので、バッテリーを交換(購入)する時には、その車種に対応する(指定されている)タイプを選ぶのが基本的な考え方です。
車屋やカー用品店で購入する時ってお店の人が対応バッテリーを教えてくれるので、とくに気にしておかなくてはいけないってところでもないと思います。
ただ、ネットなどで自分で選んで買うって場合は、ちゃんと調べてその車種に(グレードまで細かく)対応しているタイプを選ばないといけないです。
そこで、この3つのタイプの特徴や違いなどを簡単に説明していきます。
普通の(標準車用)バッテリー
2004年ぐらいまでは、ほとんどの車(新車)でこの普通の(標準車用とかスタンダードとか呼ばれている)バッテリーが使われていました。
なので、そこそこ古い中古車で従来の(ひと昔前までの)充電方式の車両はこの普通のバッテリーでもOKって感じです。
ただ、現在では古い車両でもカーナビやドラレコ・ETC、スマホの充電器などで電気を使用する量も増えていて少し容量不足(寿命が早い)って感じになっています。
当時では、普通(スタンダード)のバッテリーも充分でしたが、今は容量の大きいワンランク上(充電制御車対応)のバッテリーを選んだほうがイイかもしれないです。
ちなみに今では「充電制御車対応バッテリー」などが普通になってきているので、分かりやすくタイプを区別するために「標準車用」などと呼ばれるようになっています。
このバッテリーの充電方式を簡単に説明すると「ゆっくり常に充電している」です。
エンジンをかけている時は、オルタネーター(発電機)が稼働して常時、充電をしています。
なので、バッテリーの充電残量に関係なく(100%になっても)、一定範囲量で充電され続けます。(エンジン回転数に比例して充電効率は変わってきます)
充電制御車対応バッテリー
2004年ぐらいから省燃費技術の1つの「充電制御システム」を搭載する車両(新車)が出始めました。
そして現在では新車(ガソリン車)のほぼ100%が「充電制御車」になります。
「充電制御システム」とは、走行状況やバッテリーの状態などによって充電(発電機)を止め、エンジンの負荷を軽減して燃費の向上を目的とした技術です。
バッテリーの充電残量がある一定まで充電されると充電(発電機)を止め、また一定(下限)まで減れば充電が開始されるって仕組みです。
ただこの充電方式は、充電停止中はバッテリーからだけの電気供給になり、充電も「高速充電→放電(残量が一定量減る)→高速充電」の繰り返しになります。
なので、バッテリーの負担も大きく、従来の普通のバッテリーでは対応しきれず劣化も早くなる為、寿命も短くなってしまう可能性があります。
なので充電制御車には、充電受入性の高い高性能バッテリーが必要になります。
その過酷な環境でも耐え、短時間での高速充電性能を持っているバッテリーが「充電制御車対応バッテリー」です。
簡単に言うと「どれだけ効率よく電気を蓄積(回復)できるか」っていう性能のことで、短時間でより多く充電出来ることを充電受入性の高いといいます
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アイドリングストップ車用バッテリー
アイドリングストップ車も充電制御車で、充電方式も同じような感じのモノです。
でも、信号待ちなどでエンジン停止・始動を繰り返すアイドリングストップ車は、充電制御車よりもバッテリーにかなり負担がかかってしまいます。
なので、アイドリングストップ車用のバッテリーは
- 大容量(エンジン停止中でも安定した電力供給)
- 充電受入性の高さ(充電不足にならないために急速充電)
- 「繰返し充電」「大きな電力消費」に対する耐久性
- 各部素材の強化(耐腐食性の向上)
が求められる為、充電制御対応バッテリーよりもさらに高性能になっています。
なので、アイドリングストップ車に充電制御車対応バッテリーを使用すると
- バッテリーの寿命が短くなる(劣化するのが早まる)
- アイドリングストップ機能が作動しなくなる(バッテリーが弱くなって)
といった、バッテリーの性能不足による症状(不具合)が起きる可能性が高いです。
また、その車種専用のモノを使っていないということで製品の補償が「補償外」になるといったメーカーがほとんどです。
充電制御車用のように「対応バッテリー」ではなく「専用バッテリー」になっているのは、こういった理由からですね。
ちなみに「アイドリングストップ機能使わないなら普通(充電制御対応)バッテリーでもいいの?」って疑問についての記事はこちら↓↓↓
バッテリーは上位互換
とは言っても、それぞれのバッテリー本体の基本的なところ(作り?仕組み?)は同じなので、サイズさえあれば(搭載で出来れば)どれでも使う事は出来ます。
タイプの違いを分かりやすく言えば性能(充電能力と耐久性)の違いだけです。
普通のバッテリーより性能がイイのが「充電制御車対応」でより高性能になっているのが「アイドリングストップ車用」って感じですね。
なので、アイドリングストップ車用>充電制御車対応>標準車用で上位互換性があります。
これどういうことかと言うと、アイドリングストップ車ではない車両にアイドリングストップ車用バッテリーを使うと「長持ち」「より安定した電気供給」します。
保証に関しても、充電制御車(標準車)にアイドリングストップ車用バッテリーを使う場合は、保証期間が倍くらい長くなっています。
まとめ
バッテリーを自分で買う(選ぶ)場合はその車種に対応するサイズ(規格)と充電方式のタイプをまず調べるのが基本です。当たり前ですが(^^;)
なので、このタイプの違いも何となく分かっていたほうが、車の使い方や自分に車対する考え方に合ったバッテリー選びが出来ると思います。
とは言っても、べつに違いなんて分かっていなくても指定されているタイプ(又は上グレード)を選べばイイだけなので、ちょっとした豆知識って感じでした。