年式が古くなってきたり多走行になってくるといろいろ不具合(故障)が起きてきたりしますが、その1つが「ラジエーターからの水漏れ」です。
水(冷却水)漏れをする箇所はいろいろありますが、やっぱり劣化などで水漏れする事が多いのはラジエーター本体です。
そして、水漏れの修理方法として基本的(一般的)には、「ラジエーター本体の交換(又はオーバーホール)」になります。
ただ、ラジエーターの交換ってけっこう費用がかかっちゃうんですよね。
車種にもよりますが、純正部品で工賃なども含めた修理総額が6万~10万円ぐらで、安い社外品を使っても4万~6万円ぐらいはかかると思います。
でも、まだまだその車を長く乗ろうと考えているのであれば、その時にお金がかかったとしても必ず交換しておいたほうがイイ部品です。
ただ「次の車検で乗り換えようと思ってた」とか「ボロイからこの車にお金はかけたくない」って感じであれば、もっと安く直す方法はないのかなぁって思っちゃいますよね。
そんな時に試してみようかっていうのが「水(ラジエーター液)の漏れ止め剤」です。
でも、この「漏れ止め剤」って人によって意見(モノに対しての使い方や考え方)がけっこうバラバラなんですよね。
漏れ止め剤ってどんなモノ?
おおまかに説明すると、ラジエーターに漏れ止め剤を注入して(混ぜて)、水漏れの原因の穴やヒビを内側から塞いで水漏れを止める(補修する)ってモノです。
基本的には、ゆっくり漏れている(滲む)程度の初期症状の小さな穴やヒビに対しての製品になるので、見てダダ漏れって症状には効かないです。
なので、商品名や説明書きには「漏れ防止(予防)剤」ってなっているモノがほとんどです。
モノはいろんなメーカーから発売されていて、ほとんど(全部?)が液体(普通車一台分100ml~150ml)で、価格は1,000~1,500円ぐらいです。
ただ、製品(メーカー)によって効果(水漏れが止まる度合い)の差っていうのはあって、けっこうモノ選びも重要になってくる製品やと思います。
賛否両論がある
けっこう、水漏れ修理で漏れ止め剤の事をネットで調べても賛否両論あって「どれが正解なん?」ってなった人も多いんじゃないでしょうか。
水漏れ修理に関しては、修理屋(車屋)でもその店(人)によっていろいろな考え方(修理のやり方)があります。
「これぐらいの漏れならとりあえず漏れ止め剤を試してみようか」って店もあれば「絶対に漏れ止め剤は使わない、ラジエーター交換!」って店もあります。
何故、店よって考え方が違うのっていうと、修理に対する基本的な考え方(その人のこだわり)っていうのもあるですが、「過去の経験から」っていうのも大きいと思います。
たぶん、どんな修理屋でも1度は漏れ止め剤って使ったことはあると思いますが、その時にどう思ったかってところです。
はじめて半信半疑で使ってみた時に「これけっこうええなぁ、使えるなぁ」って思えば今後、安く直せるなら試してみたいってお客様にはオススメするようになると思います。
逆に「やっぱりアカンな、止まらんな」とか「漏れは止まった感じやけど不安が残るなぁ…」って感じあれば、やっぱり使わないようになりますよね。
なので、どの考え方が正解っていうのは無いと思います。
っていうか「これは止まります、これ以上は直らないです」っていう、はっきりした補修用品では無く、使う人の判断でって感じのモノですね。
試してみる価値はある!
ちなみにおっさんは、使ってみる(試してみる)派で、「安く直るなら試してみたい」ってお客様には、けっこうオススメしています。
ま~、おっさんは中古車屋なので、自分の考え方ってよりも車検や修理を頼んでいる修理屋が使ってみる派で同じような考え方になっただけなんですけど(^^;)
もちろん、使って(試して)もダメな場合もあるので、お客様にもちゃんと漏れ止め剤について(メリットとデメリットを)説明をしています。
ただ、製品の説明書きや自分が思ってたよりも効果(結果)は良くて、だいたい自分や修理屋がイケるかなぁって思った水漏れ具合(症状)であれば、止まりますね。
おっさんは、漏れ止め剤って価格の安い割には優秀な使えるモノやなぁって思っています。
これぐらいまでだったら止まる可能性は大
水漏れの具合(程度)は、アッパータンク(黒い樹脂分)のカシメ部分全般に冷却水の乾いた後があって、サブタンクにも水がほとんどない状態です。
車検で預かった時にボンネットを開けた時に発覚してお客様に聞いたら「地面に水が漏れいるような事はなかった」ってことで、少しずつ漏れている(滲んできている)って感じです。
止めている時(エンジンをかけていない時)やラジエーターの圧がかかっていない時には漏れないって程度(症状)です。
ただ、エンジンをかけてラジエーターに圧がかかってくると、アッパータンクのカシメ部分から目視でジワ~っと漏れてくるのが分かります。
よくある古い車や多走行車にあるアッパータンク(上部にある黒い樹脂)の劣化によるカシメ部分からの水漏れの症状ですね。
水漏れの程度は初期症状(軽度)ってわけでも無くラジエーター自体も全体的に劣化しているので、普通で言うとラジエーターの交換になります。
ただ、アッパータンク自体は外からみて目立つヒビ割れなどが無かったので「これぐらいやったら漏れ止め剤でイケるんちゃうかなぁ?」って判断(予想)です。
お客様も古い車なので費用をかけたくないっていう強い要望もあったので、とりあえずダメかもしれないけど試してみることにしました。
結果は、水漏れは普通に(予想通り?)止まりました。
もちろん、後々の不安も多少は残るのでお客様には面倒くさいですが、数週間は水の量や水温計を気にしてもらいながら(様子を見ながら)乗ってもらうって感じです。
個々のラジエーターの水漏れ具合でかなり変わってきますが、こんな感じの症状ぐらいであれば漏れ止め剤で直るかなぁ(可能性は高い)ってところですね。
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使う時のポイントと注意点
漏れ止め剤の使い方(使用方法)は、ラジエーターに入れる(冷却水に混ぜて入れる)だけなので難しくは無いです。
ただ、ちゃんと効果を発揮させるためのポイントや、逆に注意しないといけない事っていうのはあります。
使う(試す)のは1度だけ
漏れ止め剤を使って完全には止まらなかったけど水漏れ少なくなったので、もう1回やってみたって人もいたりします。
でもコレ、ダメです!
そもそも漏れ止め剤の仕組みって、冷却水に混ざった漏れ止め剤の成分が循環して水漏れしている箇所を塞いで固まり、残りは固まらずに循環を繰り返します。
そしてまた、水漏れする箇所が発生すれば、そこを塞ぐって予防効果もあります。
なので、繰り返しやったら効果も大きくなるってもモノではなく、1度やってみてダメなら交換(又はオーバーホール)しかないって判断になります。
それに使用量の目安があり、それ以上に入れると逆に水の通路が詰まって壊れる(オーバーヒートする)可能性が高くなります。
冷却水が汚れていたら交換してから!
サブタンクの水が劣化(茶色っぽく濁ったり)していたり、ラジエーター内部も汚れている場合は汚れによって詰まる可能性もあります。
なので、そういう場合は減っていた分の冷却水の補充ではなく完全に(全部を)交換しないといけません。
そして、ラジエーター内部にも汚れが残っていそうであれば内部の清掃(汚れた水が出なくなるまで水を循環させる程度)をしたほうがイイです。
冷却水の交換となると、ある程度の知識や経験が必要になるので作業に自信がなければお店に依頼をしたほうがイイですね。
おすすめの漏れ止め剤
おすすめと言うよりも、おっさんの店で(修理に出している修理屋が)よく使っている漏れ止め剤です(^^;)
たぶん、部品屋に「よく効く漏れ止め剤!」って注文したら持ってくるモノなので定番(多くの修理屋が使っているモノ)なのかもしれないですね。
ワコーズ ラジエーターストップリーク RSL
● WAKO’S(ワコーズ) ラジエーターストップリーク RSL R211 150m
使用方法は「冷却水に混ぜてから入れるタイプ」になるので、基本的には冷却水の交換も同時に必要になります。
なので、ユーザーがネットなどで買って「とりあえず1回入れてみようかなぁ」ってモノではないですね。
自分で冷却水の交換の交換が出来る人やプロ(修理屋)が使うって感じのモノやと思います。
ホルツ ラドウェルド
Holts(ホルツ) ラドウェルド(小) MH301 125ml
使用方法は「そのままラジエーターに注入するタイプ」になるので、作業的には誰でも簡単に出来るモノになっています。
ラジエーターキャップを開けて、漏れ止め剤を入れて冷却水が少なければその分の冷却水を足して量を調整するってやり方です。
もちろん、冷却水が汚れている場合は冷却水の交換やラジエーター内部の清掃が必要になります。説明書きにも書いてますけど(^^;)
補修用品などで有名なホルツの商品で、カー用品店やホームセンターなどでも普通に売っていて簡単に出来るって意味ではこれが一番おすすめですね。
誰でも簡単に出来るモノといっても効果に関してはかなり優秀やと思います。
まとめ
漏れ止め剤って、「応急処置用のようなモノ」とか「その場しのぎでデメリットのほうが大きい」など否定派の人も多いです。
もちろんそうかもしれないですが、そもそも「ラジエーターの交換とどっちがいいのか?」っていうような修理のやり方で比べるモノではないです。
考え方としては「安く直せるなら(お金をかけたくないから)試してみたい」とか「そんなに長く乗る気は無いから」って感じで使うモノやと思います。
それに、使用方法(説明書き)どおりにちゃんと使えば、デメリット言われている詰まりによるオーバーヒートなどの故障も実際にはそんなに無いです。
なので、「使ってみたいけどデメリットとかあるみたいだから心配」って感じで悩んでいるのであれば試してみる価値はあると思います。
ま~、「使ってみる派」の偏った考え方なので参考程度に(^^;)