自動車保険の中で、交通事故の時に自分(搭乗者)のケガを補償する保険といえば「人身傷害保険」になります。
自動車保険の基本のセット内容に含まれている保険(補償の種類)の1つです。
そして、この人身傷害保険の特約になっているのが「傷害一時金特約」です。
ただ、お客様にこの特約の説明をしていると「この傷害一時金って必要なん?」って聞かれることが多いです。
っていうのも「人身傷害保険」という自分(搭乗者)を補償する保険があるのにさらに必要なのか?ってところがちょっと疑問になりますよね。
とくに「保険料は安くしたいから補償内容は最低限安心できる内容でいいから」っていう考え方のお客様に多いです。
そこで、おっさんがこの「傷害一時金特約」について車屋の保険代理店としての説明や考え方を話していきたいと思います。
傷害一時金特約って、どんな保険
交通事故で自分(搭乗者)がケガをした場合
「治療費」「休業損害」「精神的損害(慰謝料)」
などの費用(損害)を実際の損害額で支払われるのが「人身傷害保険」です。
簡単に説明すると、交通事故で自分の過失(自分が加害者側かどうか)にかかわらず、ケガをした時に病院代やその他の損害をカバー(補償)してくれる保険です。
事故の被害者(過失0)であれば相手(加害者)の保険からの損害賠償(相手の対人保険)で全ての治療費など損害分が支払われます。
逆にこちらが加害者や過失がある事故、単独事故の場合などは自分の入っている自動車保険の「人身傷害保険」で自分の過失分がカバーされます。
でも、この「傷害一時金特約」は、「相手の対人保険」や「人身傷害保険」などで実際に支払われる費用(治療費など)とは別に
通入院の日数など支払条件を満たせば、一時金が支払われる保険(特約)です。
保険会社によって「人身傷害保険の特約(オプション)」か「人身傷害保険に自動セット」になっていますが、特約の場合が多いですね。
傷害一時金特約の内容は?
この保険(特約)は保険会社によっ補償内容が少し違いますが
- 治療日数(入院・通院)が1日から4日の場合、1万円
- 治療日数(入院・通院)が5日以上の場合、ケガの内容に応じて10万円~100万円
って感じの補償内容の保険会社が多いです。
東京海上日動などは「人身傷害保険に自動セット」になっていて少し補償内容も異なり、逆に「傷害一時金不担保特約」って保険料を安くする特約があります。
この「傷害一時金(特約)」の考え方(目的)としては
実際の損害(治療費など)の別に入院にかかった急な出費などを一時金でカバー出来る
って感じです。
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傷害一時金は、車の保険として必要な特約?
さて、ここからが本題で、みなさん聞きたいところやと思います。
正直、車屋としておっさんがお客様に聞かれた時
「交通事故を起こした(遭ってしまった)時の為の最低限の自動車保険って考えるんやったらいらないかなぁ」
って感じでいつも答えてます。理由としては、いくつかあります。
自動車保険の1つというよりケガの保険?
上記で説明したように、交通事故でケガをした場合の実際にかかった治療費(損害)などは「人身傷害保険」でカバーされます。
自動車保険は、他の傷害保険などとは少し保険加入の考え方が違って
「車に乗っていれば、誰でも事故に遭う(起こす)可能性はあるから!」
っていうよな考え方で、車を買うなら(乗るなら)保険に入らないといけない!って思っている人がほんどですよね。
こういう考え方は正解ですし、実際にそういう意味合いの保険やと思います。
なので、自動車保険って「事故での損害額や治療費などを補償(相手には賠償)する保険」っていうのが一般的な考え方の保険やと思います。
それに、他の保険(火災や傷害など)よりも事故率(使用率)が圧倒的に高いので
「まぁ使うことは無い思うけど、万が一の時の為の備え・安心のために」
っていう傷害保険などのような考え方も違うと思います。
なので、条件が揃えば(治療費ではなく)定額で保険金がもらえるという「傷害一時金」は、必ず入っておいたほうがいい特約ではないのかなぁって思います。
それに、基本セット以外の特約で必要性を重視して考えるのであれば、もっと優先順位(使用率)の高い特約があると思います。
簡単にいうと「傷害一時金」は「通常よりもさらに補償内容をよくしたい」って人向けの特約って感じです。
どちらかというと、さらに他に交通傷害(傷害保険)の加入を考えている人であれば、「傷害一時金」は特約なので保険料も安く検討する価値はあると思います。
ちなみに、おっさんが自動車保険の特約でおすすめなのは↓↓↓
必要性と使用率(確率)は低い?
おっさんが、お客様にお薦めする特約は基本的に
「特約を使った時に入ってて良かった」ではなく「使用率(使う確率)が高い特約」
です。それと「この特約は保険料が安いから」とかっていうおすすめは二の次です。
保険代理店をしている側から言うのもアレなんですが、どんな保険(特約)でも事故が起きて使うことになったら「保険に入ってて良かったぁ」って必ずなります。
生命保険・損害保険・医療保険、どんな保険でもそうですよね。保険金が入ってくると助かります。当然ですけど…
しかし、自動車保険で大事なのは事故を起こした時にスムーズに損害(賠償)をカバーして解決(示談)出来る補償内容です。
なので、実際に事故で保険を使う時に多く使われている特約や経験上から見てスムーズに解決する為に必要と考えるものをお勧めしています。
正直、傷害一時金に関しては「この事故のケースならこの特約が無いと絶対に困る」っていうのもないですし、過去の経験からいっても使う確率も少ないですね。
やっぱり車の事故といえば対物事故や人身事故ですが、入院が5日以上必要となるケガをする人の確率は事故全体から見ると少ないと思います。
さらに「傷害一時金特約」を使うには一般的に加入者が必要書類を集めて保険会社に申請(保険金請求)をするのが前提になります。
自動車保険といえば、事故を起こした時に事故連絡していれば、後の手続きは保険会社がしてくれたり必要に応じて特約を使ってくれるといった感じです。
しかし、事故で完全な被害者になった場合は、相手の保険会社が対応するので自分が加入している保険会社(代理店)に連絡することは少ないと思います。
なので、そのような場合「傷害一時金」の支払条件を満たしていても自分で手続きしないといけないので申請することを忘れていたって人も多いと思います。
それも「傷害一時金」の使用率が低い理由の1つかもしれませんね。
まとめ
保険会社からすれば、「必要のない特約(補償)なんて1つもない!」って考えです。
保険会社が必要と考えて作った特約なので、そりゃそうですよね。
それに本当は、その保険会社の代理店が必要ないとかお勧めしないなんていうことを考えることもダメなんでしょうけど(^^;)
でも、車屋として車の修理を受けたり相手の保険会社と交渉したり、お客様の相談を直接聞いたりしている現場の人間の立場からいうと「傷害一時金」の必要性は微妙です。
それに本当にこの特約が需要があり、よく使われている(請求されている)特約であれば、もっと保険料は高くなると思います。
絶対に入っていたほうが良いと言われる自動車保険としての考え方からすれば「特約の傷害一時金は必要です!」とは正直、言いにくいですね。
あくまでも、基本セット内容の保険+必要とされる特約を入った上で、より充実な補償を求める人におすすめする特約やと思います。
ちなみのおっさんの自動車保険のお客様の「傷害一時金特約」の加入率はかなり低いです。
まぁ、こんな説明していると当然っていえば当然ですけど(^^;)