車の乗換えを検討中のお客様からよく聞かれる事の1つが
「軽自動車の維持費って普通車と比べてどれぐらい安くなんの?」
って感じの車に乗ってから(所有しいている時)の維持費についての質問です。
単純に(一般的に?)「軽自動の維持費は安い」ってイメージってありますもんね。
なので、用途的に普通車じゃないとダメって事もないなら、維持費の安い軽自動車のほうがいいんなかぁ?って思う人も多いんじゃないでしょうか。
ただ維持費って言っても、その中でどの部分が安くなって、逆に安くならないのは?ってところを詳しく知っている人って少ないと思います。
そこで、普通車と比べて軽自動車の維持費で「安くなるモノ」と「普通車とあまり変わらないモノ」を分かりやすく説明していきます。
ガソリン代(燃費)
「排気量が小さい軽自動車は燃費がイイ」って思っている人も多いかもしれませんが、これはひと昔前の話で今では少し間違った考え方ですね。
たしかに、用途(多く使うのが高速や一般道の違いなど)や乗り方は考えずに単純に考えると大排気量の車に比べれば小排気量の車のほうが燃費はイイになります。
ただ、軽自動車って今となれば、そんなに燃費はよくなくて、「ハイブリッド車」や「低燃費をうたっている小型車」には勝てないです。
軽自動車にも「マイルド(なんちゃって)ハイブリッド」っていうのがありますが、実際のところ普通車のハイブリッドのような燃費の良さでは無いです。
燃費の良さだけでいうなら、ハイブリッド専用に作られた小型車が一番イイと思います。
なので、ガソリン代(燃費)に関しては、軽自動車とかはあんまり関係なくなってきて、ハイブリッド車とか車種の比較になります。
ちなみに、「燃費のイイ車種って何?」って聞かれると、(カタログの数値じゃない)実際の燃費でいえば、トヨタのアクアとかかなぁって思います。
自動車税
1年に1度、5月ぐらいにに納付書がくる自動車税ですが、みなさんご存知のとおり軽自動車は普通車に比べてかなり安いです。
普通車との比較でいうと、
排気量 | 税額 |
---|---|
軽自動車 | 10,800円 |
1,000cc以下 | 25,000円 |
1,000~1,500cc以下 | 30,500円 |
1,500~2,000cc以下 | 36,000円 |
2,000~2,500cc以下 | 43,500円 |
2500~3000cc以下 | 50,000円 |
3,000~3,500cc以下 | 57,000円 |
2019年10月以降の新規登録車 標準税率(R04年5月時点)
普通車の中で一番安い1,000cc以下(トヨタ ルーミーなどの小型車)の税額と比べても14,200円とけっこうな差があります。
やっぱり1年に1度かかるお金なので、維持費を比べる(考える)時の大きなポイントの1つになりますね。
自動車保険
自動車保険に関しては、全体的に見るとやっぱり軽自動車の保険料は安いです。
ただ、だからといって一昔前みたいに単純に軽自動車だから保険はすごく安いって事は現在では無いです。
っていうのも現在の保険料の決め方って、排気量別とかじゃなくて車種ごとに「型式別料率クラス」が細かく設定されていて、その料率によって基本の保険料が算出されます。
おおまかに言うと、過去(前年など)の保険金の支払い額総額(事故率)が多い車種は保険料が高くなり、逆は安くなるって感じです。
例えば、高級車やスポーツカーは、事故件数は普通でも1回の事故(盗難や物損)での支払額が大きくなるので、「型式別料率クラス」が高く保険料も高くなります。
軽自動車でも事故率(件数)が高い車種は「型式別料率クラス」が高くなり、普通車(事故率の少ない小型車)よりも高くなる車種もあります。
逆に2,000ccクラスの乗用車でも事故率(型式別料率クラス)の低い車種であれば、保険料はかなり安くなっています。
なので、現在の自動車保険では、あまり普通車と軽自動車で比較する保険料を比較するって感じでは無くなってきています。
どっちかっていうと、今の保険は「特約の有無」「等級(割引率)」「年齢条件」「使用条件」「ゴールド免許」などのほうが保険料に大きく影響してきますね。
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消耗部品代や修理代
部品や用品って、同じ役割のモノであっても、その部品の大きさ(サイズや容量)や車種(車両価格)などによって価格が違ってくるモノも多いです。
なので、普通車より車両価格が安い小さな軽自動車は部品は、その分安くなる事が多いです。
例えば、消耗品でけっこう交換費用がかかる、「タイヤ」や「バッテリー」などは、サイズによってかなり価格差があります。
軽自動車はサイズ(容量)が小さい(最小クラスの価格の安いモノになる)ので交換費用はけっこう安く済みます。
その他、故障時などの補修部品なども軽自動車のほうが安いモノが多いです。
それと作業工賃に関しても同じ作業の場合、車の大きさ(車種)で変わってきたりするので、小さな軽自動車のほうが安くなる場合が多いです。
まぁ単純に、「大きい車は(高級車ほど)手間と時間がかかるので工賃が高い」、「小さな車ほど作業が早いので工賃が安い」って感じですね。
なので、部品や修理代は軽自動車が(小さい車ほど)安くなります。
車検費用
車検費用(総額)に関しては、やっぱり軽自動車は安く済みます。
普通車と費用の差が大きく出るのは、やっぱり車検時にかかる税金の「重量税」です。
また、車検工賃や消耗品などの部品代も上記で説明したように安くなります。
やっぱり、車検費用って維持費を考える中で大きなところなので、普通車と比べる時の大事なポイントになります。
車検にかかる税金や保険
まず車検で必要な諸費用(税金・保険など)で比較すると
軽自動車 | 普通車(1,000ccクラス) | |
---|---|---|
自賠責保険(24ヵ月) | 17,540円 | 17,650円 |
重量税(減増税なし) | 6,600円 | 16,400円 |
印紙代 | 2,200円 | 2,200円 |
合計 | 26,340円 | 36,250円 |
で、普通車の中で重量税の一番安い重量1トン以下の1,000ccクラスと比べても安いです。
自動車税と同じで、やっぱり税金関係は軽自動車が安くなります。
そういう車種では軽自動車との比較はなかなか難しいです。
車検工賃や部品代
車検の代行費用や作業工賃、消耗品などの部品代に関しても総額で見ると軽自動車(小さな車)のほうが安い場合が多い(ほとんど?)です。
ただ、代行費用や基本の点検費用は、排気量別や車両の大きさ(1boX車など)で料金を区別している店が多いので、小型車と比べるとそんなに変わらない場合もあります。
この辺りは店によって料金設定の考え方(やり方)が違うので、何とも言えないところです。
でも基本的には、軽自動車のほうが安いっていうイメージになります。
小型車と比べたら?
やっぱり、維持費で比較する人って「軽自動車」と「普通車の小型車」やと思います。
最近の軽自動車(新車)は、どんどん価格が高くなってきて小型車との価格差が無くなってきているので
「軽自動車と値段が変わらんのやったら室内が広い小型車のほうがええんかなぁ?でも維持費は軽自動車ほうが安いんやろなぁ?」
って悩んでしまう人が多いんじゃないでしょうか。
正直、小型車(普通車)のメリット(室内の広さとか高速走行など)を考えて比較すると、今では維持費の差ってそんなにあるわけでも無いので微妙なところやと思います。
それに、この辺りはその人の車に対する考え方でかなり意見が違ってくるところなので、どっちがいいのかっていうのも難しいところです。
ただおっさんは、「軽自動車でもどっちでもええけど」って感じなら維持費を最優先で考えたほうがいいんじゃないのかな、って思います。
まぁ、お客様が悩んでいるなら、いつも軽自動車をおすすめしていますけどね。
っていうのも、とりあえず迷ったけど小型車を買ったってお客様が車検や修理の時に「軽自動車やったらもっと安かったんかなぁ」ってなる事が多いからです。
まとめ
年々、軽自動車の性能や機能が普通車並みになってきて「税金などの優遇はいらないんじゃないの?」って話になってきています。
それに、普通車のハイブリッド車のほうが燃費がよく、電動化によって定期交換が必要な消耗部品自体が無いって車種も増えてきています。
なので、ひと昔前に比べるとトータルの維持費の差も少なくなってきています。
今のところ「軽自動車は維持費が安いからお得!」っていうのは本当なんですが、徐々にそのお得は少なくなってきているのが現状です。