イグニッションコイルはスパークプラグと同様にエンジン(ガソリン車)の点火系部品として重要な役割を持っています。
なので、このイグニッションコイルに不具合(故障)が起きると、「エンジンの不調」や「信号待ちで止まってしまう」というような症状になります。
走行距離に応じて定期的交換が必要な消耗品の部類では無いですが、多走行などによる劣化によって不具合(故障)が起きやすい(寿命がある?)部品です。
しかもこのイグニッションコイルは、けっこう価格(純正部品代)が高いんです。
ただ、純正品に比べてかなり安い社外品のモノも多くあり、しかも自分で交換出来れば、修理費用を安く抑えられる事が出来ます。
ってことで、「安い社外品のイグニッションコイルってどうなの?純正品との違いは?」のところをお話していきます。
イグニッションコイルが原因での不具合の症状は?
まずはイグニッションコイルの劣化が原因でのエンジン不調(故障)の症状としては、
- アイドリングがばらつく・不安定(信号待ちなどで止まりそうな感じ)
- 低速(低回転時)がもたつく(ガタガタって感じやエンジンからカリカリ音)
- 中~高速(中~回転時)はエンジンは安定するが加速が悪い(パワーが無い感じ)
- エンジンチェックランプ(警告灯)がつく(車種によって違う)
- エンジンがかかりにくい・エンジンが止まる(けっこう末期の症状)
ってところで、エンジンの数気筒ある1つがちゃんと機能(プラグに点火)されていなくて、他の気筒で何とか動いているけど安定しない(パワーが無い)って感じです。
ま~、エンジンはかかるけど、アイドリング時や低回転時にエンジンがばらつき、中回転時~には安定するがパワーが無いって症状が特徴ですね。
プラグの劣化の原因も考えられますが、急に症状が出たって感じであれば1番に疑うところはイグニッションコイルです。
軽自動車(低排気量車)のほうが故障率が高い
排気量の大きい普通車と比べて軽自動車(低排気量の車種)は同じ速度でも排気量が小さい分、エンジン回転数は常に高くなります。
その分、点火系の部品の負担も大きくイグニッションコイルの劣化も早いです。
同じ点火系の部品のスパークプラグの走行距離での交換時期の目安が普通車よりも軽自動車のほうが早いのと同じ理由(考え方)です。
なので、軽自動車などの低排気量車で上記の症状になった場合は、イグニッションコイル(またはプラグ)が原因(故障)ってことが多い(ほとんど?)ですね。
逆に普通車の場合は、全般的にイグニッションコイルが原因の故障って少ないですし、上記の不具合の症状っていうのも少ないかなって思います。
もちろん上記のような症状の場合は一番最初に疑うところはイグニッションコイルですが、違う点火系の部品が原因ってこともちょくちょくあります。
ただ、普通車(2000ccクラス~)であっても「イグニッションコイルの故障(リーク)が多いメーカーや車種」もあります。
不具合の原因の多くはリーク(漏電)
イグニッションコイルの故障の原因として多く(ほとんど?)は、コイル本体の劣化(ひび割れや穴が開いた)などによる電気のリーク(漏電)です。
なので、コイル本体を外して見ればひび割れやリーク跡(焦げた小さな穴や白くなった後)があるので、ユーザーでも原因を判断しやすい部品です。
少しのリーク(不具合の初期段階)では、パット見では分かりづらいかもしれませんが、他のコイルとよく見比べたりすると違い(リーク跡)が分かると思います。
その他にコイル内部の断線やコネクターの接触不良などの原因もありますが日本車の場合は、けっこう稀やと思います。
そして、コイルからのリークによりプラグに適正な電気(高電圧)が送られず、プラグが正常に点火しなくなり(失火が起こり)、エンジンが不調になるといった流れです。
純正部品はそこそこ高い!
イグニッションコイルがダメな場合、コイル本体の修理は出来ず交換になりますが純正品であれば、そこそこ部品代が高いです。
車種によってけっこう価格差があって、1本の価格が7,000円~13,000円ぐらいです。
ただ、イグニッションコイルって1本(1気筒分)だけがダメって場合も、交換するなら全て(3気筒なら3本)交換っていうのが基本的な考え方になります。
理由としては、他のコイルは今(その時)は大丈夫でも同じように劣化しているので、同じようにダメになる可能性が高いからってところです。
ただ、走行距離も少なく年式が新しい場合など、そのコイルだけが何故かダメ(それだけハズレ部品?)って感じであれば1本だけ交換って場合もあります。
それと、スパークプラグ(全て)も同時に交換っていうのも基本の考え方なので、普通に(店に出して)修理するとけっこうな費用になってしまいます。
例えば、よく不具合が起きる軽自動車(3気筒エンジン)の場合だと、
- イグニッションコイル代 約8,800円×3本 24,600円
- スパークプラグ(イリジウム) 約2,200円×3本 6,600円
- 工賃 (他パーツ取り外しがある場合は別料金) 約3,300円
- 修理総額 約34,500円(税込み)
って感じで、修理代が安いほうの車種でも、やっぱり30,000円~40,000円ぐらいはかかると思います。
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社外品って安いけど大丈夫?
そこで、出てくるのがネットなどで売っている安い社外品のイグニッションコイルです。
価格(ネットで売っているモノ)は純正品の1/3~1/4ぐらいで、価格帯でいえば1本、2,000円~3000円ぐらいってところです。
なのでこの価格帯を知ってしまうと、出来れば社外品にしたい(でもいいかな)って人は多いと思います。ただやっぱり、
「かなり安いけど、こんなんって大丈夫なんかなぁ?」
って思ってしまう人も多いんじゃないでしょうか。
正直、自動車部品って多くの社外品があって普通に使われていますが、イグニッションコイルに関しては車屋(修理屋)では意見が分かれる部品ですね。
やっぱり多い意見(考え方)としては、
「純正でも劣化でダメになる部品やのに耐久性(品質)が分からない社外品はどうなん、やっぱり純正品(又は少しだけ安い国内メーカーの社外品)が無難」
ってところで、単純に社外品だから安いってだけではなく、耐久性(品質)は純正と違う(やっぱり純正より劣る?)って感じで考える部品やと思います。
ただ、安い社外品だからといって「本体の見た目が雑な感じ(作りが悪い)」「すぐにダメになる」ってわけではありません。
↑↑↑ ネットで購入した3000円ぐらいの社外品のイグニッションコイル
極端に安く売っているモノ(粗悪品)ではなければ、逆に安い割にはちゃんと作られているなぁって感じのモノのほうが多いような気がします。
なので、単純にダメってわけではなく、その人の「修理の予算」や「車の使い方」「あとどれくらい車に乗るのか」などを考えて選ぶような部品やと思います。
安い社外品にするかどうかの判断って?
ちなみにおっさんの店の場合は、基本は純正品をおすすめしますが、お客様と相談してリスク的な事も説明して社外品にする事も多いです。
例えば、社外品っでいいかなぁって場合のケースは、
- 車自体が古く気持ち的にあんまりお金をかけたくない
- あまり車に乗らないので距離も伸びないし、いつでも修理に出せる
- この先、乗り換えも考えている。ずっと(今の倍ぐらい)乗る気は無い
- 他の部品も社外品にしている。社外品の事(リスクなど)は分かっている
- お金が無い、とりあえず安く直したい
って感じで、やっぱり決め手になるのは「予算」です(^^;)
正直、純正品と同じような耐久性や信頼性を求めるなら、やっぱり安いモノは止めといたほうがいいかなぁって程度の判断ですね。
おっさんの経験で社外品にした車で「失敗した」って記憶は無いので、安い社外品でも悪いイメージってあんまり無いです。
ま~、「仕事で車を毎日使っている」とか「まだまだ乗り続ける(距離も伸びる)」っお客様には純正品をおすすめしているかもしれませんけど。
でもやっぱり、安い社外品ほど「個体差が大きい(耐久性など)」や「当たりはずれ(初期不良)」があるので、そこだけは理解して選んだほうがいいいと思います。
安い社外品 の価格帯を調べる!
まとめ
イグニッションコイルに関しては自分でいろいろ調べて、それでも迷っているのであれば社外品でいいんじゃないでしょうか。
だって、純正品と比べたら安いですもんね。
たぶん、社外品を買おうかなって人は自分で交換しようと思っている人が多いと思うので、それやったら後で何かあっても自分で対処出来ると思います。
ちなみにネットで買うのであれば、少し価格が高くても車の補修部品をメインに扱っていて適合確認をしてくれるショップで買うのが気持ちおすすめです。
車の用品って商品の写真や説明は同じような感じでも、ぜんぜん違うモノって事が多いので、やっぱりショップ選びが重要やと思います。